郡会の様子

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第一回の郡会は、明治二十九年十月、郡役所で開かれている。議事規則のほか傍聴人取締規則、二十九年度歳入予算がきめられたが、その後は予算・決算の通常会のほか、郡下各村の不動産処分、町村事務・基本財産の件などが審議されている。とくに郡会の行なった事業としては、教育費補助・勧業費補助を設置し、教員講習会の開催を助成したほか、郡農会として農事改良を促進させている。また農事巡回教師を設置し、郡教育会を補助、実業補習教育の普及発達につとめている。教育と農事改良は郡会において主力がおかれていたのである。明治四十年代には郡会議員の党争(政友会と非政友派との)や郡長との対抗事件が起っている。