第二回総選挙の結果

337~338 / 1164ページ

この選挙結果を市域村々についてみれば第93表のようになっている。

第93表 第二回総選挙結果表(明治25年2月)
村名有権者投票数野口(自)新井(自)井上(改)真中(吏)
大袋村797838552142
新方村54504333617
荻島村11611311310283
川柳村88884587386
蒲生村4745453753
越ヶ谷・大沢町40383134011
大相模村848367532422
増林村959172512926
出羽村959363511455
桜井村575642351221
小計755735559538157206
第三区合計4,7274,6163,1252,5792,0121,453

越谷市史(五)550頁 自は自民党,改は改進党,吏は吏党

 表によれば、市域の有権者は総数七五五名である。彼らは市域村々において直接国税一五円以上を納める地主層である。当時の市域村々の総戸数は五〇二五戸である。一戸は一票であるので有権者は全戸数の一五%にしかあたらないという極端な制限選挙であった。表によれば投票率は九七%である。候補者二名を記入する連記投票であったから得票は有権者のほぼ倍となっている。

 この選挙では野口、新井の両自由党員が当選したが、両者に投ぜられた票は、市域においては総得票一四六〇票中、一〇九七票とほぼ七五%の得票率となっている。当日の投票者七三五名のうちほぼ五五〇名は自由党支持者ということになろう。改進党の井上候補は一五七票、吏党の真中候補は二〇六票しか得票していない。圧倒的に自由党の基盤となっていたことがわかる。同時にそれは政府―知事―郡長―警察を通じて行われた選挙干渉に対する市域村々の回答でもあった。民党側は県会でも知事排斥運動をおこない、知事不信任案を出して対決していた。これら議員を応援するため開かれた県民大会では、不信任問題に賛成する議員のみを推すことを決めている。

投票所入場券
投票函護送報告