蘭交倶楽部

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当時、北葛飾郡の政友会の団体に蘭交倶楽部があった。杉戸町の長瀬清一郎や中村清一郎を中心に活躍しており、同じ選挙区であったことから県議や衆議院議員の選挙には、しばしば〓世倶楽部と連絡をとりあっている。

 第七回総選挙で惨敗を喫した埼葛地区の政友会系三団体は、政府の地租増徴、海軍拡張に反対しており、行政の整理実施を通して政府に強硬な態度をとることを申し合わせていたが、議会が解散されるとただちに候補者選定のための会合を杉戸、久喜、越ヶ谷など三団体の中心地で開いている。このとき〓世倶楽部を代表して選挙対策会に臨んだのは中村悦蔵、大塚善兵衛、金子勝成(也?)、上原治郎右衛門(桜井村)であり、一時、衆院候補に井出庸造が擬せられたが固辞しており、ようやく口説いた高橋荘之丞(県議)も出遅れたため落選している(三十六年三月、第八回選挙)。翌三十七年三月の第九回選挙では、〓世倶楽部は中村、大塚、榎本、川島らが幹事として甲辰、蘭交倶楽部と交渉し、結局、蘭交倶楽部の推す中村清一郎を候補として、二〇六三票を獲得して当選させている。