実業補習学校

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実業補習学校は、小学校を卒業した児童に対して、小学校教育の補習教育を施すと同時に実業に役立つ知識技能を授けようとするもので、明治二十三年の小学校令では小学校の一種類とされ、三十二年の実業学校令では実業学校の一種類とされた。

 埼玉県では、三十五年四月三校の設置をみたが、その一校が近接の南埼玉郡武里村立農業補習学校である。しかし、市域では、その設置が遅れ、四十二年四月にまず組合立越ヶ谷高等小学校に併設された組合立越ヶ谷実業補習学校があるが、開校時の生徒数は五〇人であった。そのほか内容などについては不明である。

 これについで同年五月大相模実業補習学校が、同年七月に出羽実業補習学校がそれぞれ開校した。これらは、修業年限が二ヵ年で、いずれも農業科目を学ぶ農業補習学校である。

 ところが、組合立の越ヶ谷実業補習学校は、翌年、一人も入学者がないため早くも廃止となってしまった。義務教育年限が延長されたこともあって魅力にとぼしいものとなったためであろうか。