越ヶ谷町民同志会の決議

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このような越ヶ谷町の訴願や郡長の弁明をうけた県知事は、その判断に手間どっていたが、越ヶ谷町民同志会は六月二十九日の役員会で南埼玉郡長の弾劾を決議した。この弾劾決議によれば、越ヶ谷町付加税不均一賦課一件に対する郡長水谷麻之助の処分は監督不十分から起ったものであること、今日に至っても郡長の職にとどまっていることはその職責を知らないものであること、したがって同志会では郡長の辞職を勧告すると同時に、県知事に対し郡長の責任を問う、というものであった。同志会ではこの宣言書を発表し決議の理由を一般に知らせるための活動を開始しようとした。

 この一件は当時政友会系の埼玉新報には掲載されず、国民党系の埼玉日日新聞によって報ぜられているが、この報道には、水谷郡長と政友会との結託が指摘されている。なお越ヶ谷町民同志会が国民党に接近したのも、この一件と関係があったかもしれない。