小作地率の変化

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全国の小作地率の大正期における最高は六年の四六・二%である。明治末年から大正末年はほぼ四五%台になっている。この間に埼玉県と南埼玉郡の小作地率をみると明治四十五年は県が四六・六%、郡五三・五%、大正五年は県四七・八%、郡五五・五%、同十年は県四八・〇%、郡五七・二%、同十五年は県四七・二%、郡五五・四%となっている。県は全国平均よりも高く、郡は県平均よりも高いまま大正十年前後まで小作地率は昂進している。

 それでは越谷地域の小作地率を蒲生村の場合でみてみよう。

 蒲生村では小作地率が明治四十三年の七三・七%にはじまり、翌四十四年に七六%台、大正七年に七七%台、同十一年に七七・八%のピークに達し、同十四年以降七六%台に下る。小作地率の非常な高さとその上昇傾向が大正十一年まで続くのである。そして自小作地合計の反別は大正十一年の三三八町五反歩が一ピークとなっている。