検査成績

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大正四年八月から米穀検査は実施されるが、生産米検査の越谷市域における概況は第27表のとおりである。県の大正四~七年の生産米の合格率は七二・一%であるが、南埼玉郡では大正四年に七六・二%、同年越谷市域では実に八七・五%という数字を示しており、特に越谷市域産米の品質の良さがあらわれている。

第27表 大正4年生産米検査報告
検査総俵数 合格俵数 不合格俵数 乾燥不良 調製不良 品質不良 乾燥調製品質不良 異物混入
桜井村 9,421 7,403 2,018 1,020 268 336 38 356
新方村 10,183 9,231 952 295 140 424 83 10
増林村 15,900 14,111 1,789 361 235 588 479 126
大袋村 12,510 11,689 821 172 28 331 245 45
荻島村 16,241 14,636 1,605 353 325 731 171 22
出羽村 21,000 16,805 4,195 2,264 808 792 294 37
蒲生村 10,985 9,352 1,633 683 18 859 49 24
川柳村 19,380 17,644 1,736 639 130 780 118 69
大相模村 18,572 16,418 2,154 1,082 103 434 367 168
越ヶ谷町 2,413 2,139 274 109 5 111 49
大沢町 3,127 2,791 336 58 61 69 140 8
同上割合 100% 87.5% 12.5% 40.2% 12.1% 31.2% 11.6% 4.9%
南埼玉郡 439,430 334,956 104,474 26,718 11,110 44,592 15,495 6,559
同上割合 100% 76.2% 23.8% 25.6% 10.6% 42.7% 14.8% 6.3%

※俵数は水・陸稲の粳米,糯米の合計である。不合格理由の乾燥不良以下の%は不合格俵数に対する%である。

 不合格の理由としては、県では大正四~七年で品質不良五三・二%、乾燥不良一八・三%、調整不良九・四%、乾燥調整不良八・〇%、乾燥調整品質不良五・八%、異物混入四・五%、乾燥品質不良と品質調整不良とを合して〇・三%という内容である。大正四年の南埼玉郡の内訳は、品質不良四二・七%、乾燥不良二五・六%、乾燥調整品質不良が一四・八%、調整不良が一四・八%、調整不良一〇・六%、異物混入六・三%であるが、同年の越谷市域では乾燥不良四〇・二%、品質不良三一・二%、調整不良一二・一%、乾燥調整品質不良一一・六%、異物混入四・九%となっており、県や郡との割合比較の上から越谷市域産米の品質の高さが判明する。

 なお越谷市域産米はその大部分を車馬、一部を船と鉄道により東京市と東京府下に移出している。