花田用水路の新設

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花田地区は、従来天水場同様で水利に乏しく、旱害を蒙りやすい土地であった。このため花田地区の農民は埼玉県に用水路の新設を申請し、県の認可を受けたうえ、大正三年四月、大沢町地内葛西用水筋(逆川)蓮坊圦から七八〇間にわたる新水路開設の工事に着手し、同年六月竣功した。

 この工事に要した工費は二四〇〇余円、このうち県の補助金は五七五円であった。たまたまこの年は旱魃であったが、用水路新設により花田地区の灌漑疏水は耕地に行きわたり、豊作の効果をあげえたという。なお、この用水路新設には、地元の増林村長をはじめ、越ヶ谷・大沢両町長などの協力も大きかったといわれる。ただし、この工事は十三河川改修ではないが、便宜ここに含ませたことを言及しておきたい。