幼稚園の開園

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市域で最初の幼稚園は、越ヶ谷キリスト教会が越ヶ谷町四七四二番地に設立した私立越ヶ谷幼稚園である。設立者長尾丁郎は、大正十三年三月二十日設立認可申請を県に提出し、同年四月二十三日に設立を認可されている。当時埼玉県では未だ幼稚園の設置は少なく、私立が九、公立が一の計一〇で、越ヶ谷幼稚園は、私立で一〇番目、全体でも一一番目であった。園長には設立者の長尾丁郎が就任している。

 設立当時の園則によれば、満三歳から学齢までの幼児六〇名を定員とし、毎日、一時限三〇分の保育を四時間行うものとした。保育料は一ヵ月一名に付一円とし、一家より二名以上入園する場合は、一人以外全て半額とした。なお、入園料が別にあって、これは一円であった。

 また保育内容は、談話、手技、唱歌、遊戯の四科目があり、談話では、童話を中心にその時々の話をし、手技では積木、折紙、豆細工などが中心であったが、三年課程になると自由画が取り入れられている。唱歌では、童謡が中心で、二年課程から君が代が教えられた。遊戯では、動作遊戯が中心でダンスや体操などが教えられたようである。