土地改良事業とならんで様々な生産奨励事業がなされた。たとえば昭和二十九年度南埼玉郡農業委員会協議会事業計画案によれば、農業技術講習会、篤農家座談会、副業指導講習会、わら工品製作研究会、椎茸栽培講習会、生活改善講習会などの予定がくまれており、さらにこの頃は毎年農産物供進会が開催され、穀類、蔬菜、果実、わら工品など生産技術がきそわれた。こうした供進会開催の奨励について、二十七年の『越ヶ谷地区農産物供進会開催要項』は次のように述べている。
従来各町村独自で開催してきましたが、これでは自村のみの供進会となって独善的にもなりますので、当管内を綜合して広く管内農家に呼びかけ供進の実を挙げ併せて経費の節約を計るを目的として、……開催いたします……。尚参加いたさずとも村の負担金は取られるのですから一品でも多く出品されますようお進め下さい。
とあり、各町村挙げて共進会にとりくんでいた様子がよくあらわれている。なお当日は業者による農機具類の展示会や農業相談室もひらかれ、農業改良関係の映画も上映された。