国民健康保険の利用状況

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昭和二十四年度における増林村の世帯数・人口数は、七七八世帯・四八三一人である。このうち国民健康保険組合加入者は四七〇〇人で九二%の加入率を示していた。加入者の基本保険料は七級に分けられていたが、このうち年額七二〇円の第一級に該当する保険納付義務者は三四世帯、同九〇〇円を納付する第二級と、一〇八〇円を納付する第三級が各八六世帯、一二六〇円の第四級が一六九世帯、一四四〇円の第五級が二一五世帯、一六〇〇円の第六級が一二四世帯、一八〇〇円の第七級が四五世帯となっており、被保険者一人当りの負担額は、年額平均三一〇円四九銭であった。また療養の際の被保険者負担の割合は五割となっていた。

 この保険による利用状況を、たとえば同年度の出羽村でみると、内科の五九九件がもっとも多く、次に小児科の四〇〇件、外科の三六三件、歯科の二五七件、耳鼻科の一二六件、眼科の六二件、婦人科の四二件の順であり、月別にみると、七月の二一五件、五月の二〇八件、四月の二〇七件、一月の一八九件、二月の一八三件、十二月の一七〇件の順であり、もっとも少ないのは十一月の一一五件となっている。

 また同村保険組合の二十五年度予算をみると、歳入では保険料の七九万七二四五円がもっとも多く、次が療養者の一部負担額六〇万一〇〇〇余円、国庫補助金二二万余円、県補助金一万三〇〇〇余円、一般会計繰入金一万五〇〇〇円その他となっている。一方支出は保険給付費の一三五万六七〇〇円を最高に、役務費の二四万余円、保険施設費の一八万八〇〇〇余円などとなっている。しかし保険料の滞納が多く、必ずしも年度予算通りにはいかなかったようである。たとえば桜井村二十五年四月から同九月までの保険料調定額三一万五〇〇〇余円に対し、収納額は二一万七〇〇〇余円で、六九%にあたる低い収納率である。これは当地域に限らず全国的な傾向であったとみられ、政府は二十六年八月、保険料を保険税に切替えて、その収納率を高めようとはかっている。

 なお二十年から二十五年までの五年間における成人病死亡者の種類別を、出羽村でみると、もっとも多いのが脳溢血の三三人、老衰の二五人、次が心臓麻痺の一九人、胃腸炎の一九人、癌の一三人、肺炎の一〇人、肺浸潤の一〇人、結核の九人、腎臓炎の五人その他となっている。また同村二十年から二十四年までにおける乳幼児の死亡種別をみると、消化不良と発育不全によるもの三〇人、肺炎によるもの一〇人、胃腸炎が八人、脳脊髄膜炎が五人、疫痢が四人、気管支炎と心臓衰弱が各三人、感冒が二人その他となっている。また当時増林村の出生率は一〇〇〇人につき四一人、死亡率は一〇〇〇人につき一六人の割合で、出生率が死亡率を大きく上まわっていた。