越谷町の町勢

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こうして二町八ヵ村の合体が実現したが、この二町八ヵ村の当時の現況は、第43表(1)(2)(3)のごとくである。これによると旧町村別の国税負担額は、一人当り年平均額荻島村が三九八円でもっとも低く、増林・新方の四〇〇円台がこれについでいる。一方一人当り平均額の多いのは、越ヶ谷の二三四一円、ついで大沢の二〇〇〇円の順となっている。町村税においても越ヶ谷の一人当り平均一九九八円がもっとも大きく、蒲生の一五七一円、荻島の一四四四円、出羽の一四三五円がこれについでいる。ことに府県税では越ヶ谷の一四四二円に対し、荻島が五九円でその差はきわめて大きい。

第43表 越谷町の町勢(1)(昭和28年度)
区別 国税 府県税 市町村税 前年度予算総額
納税額 1人当 納税額 1人当 納税額 1人当
千円 千円 千円
桜井 2,143 658 362 111 4,137 1,270 8,224,329
新方 1,263 480 423 163 3,924 1,507 6,998,000
増林 2,027 404 693 138 7,115 1,420 15,693,871
大袋 3,500 885 568 143 5,969 1,002 18,489,014
荻島 1,355 398 200 59 4,923 1,444 12,434,790
出羽 1,980 504 473 120 5,640 1,435 11,552,009
蒲生 2,930 659 1,168 263 6,963 1,571 12,167,283
大相模 2,284 555 597 145 5,607 1,361 9,859,280
越ヶ谷 18,777 2,341 11,568 1,142 16,028 1,998 28,471,209
大沢 11,725 2,000 3,976 678 6,808 1,161 15,250,096
越谷 47,984 1,076 20,030 449 67,109 1,527 139,139,881
 (2)
区別 業態生業の割合 生産額
都市的業態 その他の業態 総額 1戸当
商工業 その他 農業 その他
千円
桜井 224 263 487 2,766 5 2,771 88,670 173,863
新方 169 202 371 2,220 12 2,232 73,005 179,815
増林 296 561 857 4,095 60 4,155 165,200 222,043
大袋 213 495 708 3,231 15 3,246 106,060 190,755
荻島 187 180 367 3,041 3,041 79,650 177,000
出羽 195 307 502 3,412 16 3,428 116,500 187,903
蒲生 647 792 1,619 2,800 15 2,815 148,092 183,965
大相模 270 400 670 3,327 117 3,444 146,895 224,267
越ヶ谷 5,240 2,003 7,243 773 4 777 240,042 141,868
大沢 890 3,849 4,739 1,123 1,123 130,344 117,005
越谷 8,331 9,232 17,563 26,788 244 27,032 1,294,458 169,253
 (3)
区別 交通状態普及状況 鉄道乗客数1日当り平均 郵便1日当り平均 電信1日当り平均 電話加入数 郵便局種別等級別数 ラジオ聴取戸数 テレビ
鉄道軌道駅数 乗合自動車量 その他自動車量 乗客 降客 発信 受信 発信 受信
桜井 14 30 90 2 4 3 406 1
新方 21 50 200 2 4 5 318
増林 43 35 84 1 1 4 684 1
大袋 1 8 666 545 80 240 2 5 3 550 1
荻島 20 170 200 1 2 1 420
出羽 44 25 76 1 1 7 560
蒲生 1 37 681 350 400 450 2 6 27 無集配特定1 640 2
大相模 49 55 68 3 5 5 470 1
越ヶ谷 1 20 125 5,176 7,669 1,200 1,600 36 30 402 特定1 1,582 9
大沢 1 80 1,300 1,300 500 640 26 18 120 1,000 6
越谷 4 20 441 7,823 9,864 2,545 3,648 76 76 577 2 6,630 21

 前年度の予算規模も、越ヶ谷の二八四七万一二〇九円を筆頭に、大沢と増林の一五〇〇万円台がこれにつぎ、新方の六九九万円と桜井の八二二万円が予算規模では小さい方である。都市的業態では、商工業の従事者数でこれをみると、越ヶ谷の五二四〇人がもっとも大きく、新方の一六九人がもっとも小さい。農業従事者数では増林の四〇〇〇人台、大袋・荻島・出羽・大相模の三〇〇〇人台となっており、町と村の性格が明瞭に分かれていた。さらに一戸当りの年生産額の平均をみてみると大相模の二二万四〇〇〇余円、増林の二二万二〇〇〇余円がもっとも大きく、越ヶ谷の一四万一〇〇〇余円と大沢の一一万七〇〇〇余円がともに低額を示している。これは商業の従事者が多かったためであろう。

 また東武鉄道の越谷地域内各駅の乗降客数をみると、越ヶ谷駅の一日平均乗車数は五一七六人、降車数は七六六九人であり、武州大沢駅の乗降各一三〇〇人台がこれについでいる。電話の加入台数では越ヶ谷の四〇二台を最高に大沢の一二〇台がこれについでいる。その他は蒲生の二七台を除くと、いずれも一〇台以内にとどまっている。ラジオの聴取戸数では、全体で六六三〇戸を数え、その普及度はおよその家に及んでいたが、テレビは越ヶ谷九台、大沢六台、蒲生の二台、桜井・大袋・大相模・増林の各一台であり、全体でも二一台とその普及はまだきわめて低かったことが知れる。