一西方村之内、高百七拾三石八斗七升弐合、此反別拾
八町七反五畝三歩万歳佐左衛門様御知行所ニ寛文十
一亥年ゟ相成候、尤同年東方村同知行ニ相成由両村
高合千弐百石也
一西方村之内、高不残延宝七未年ゟ元禄十丑年迄拾九
ヶ年之間古河領地ニ相成、元禄十一寅ゟ御料所ニ立
帰り先御支配伊奈半左衛門様御代官所ニ相成、但延
宝七未ゟ貞享元子迄堀田築前守様、貞享二丑ゟ元禄
六酉迄之間松平日向守様、元禄七戌ゟ同十丑迄松平
伊豆守様御領主ニ相成由、大武鑑城主譜ニ相見江候
共、当村御割付ニて考弁仕候処、其時〻御役人方認
方并御領主様御印計有之も相見江、右年歴相違無之
様相聞候、委敷ハ西方村古河領旧記有之
一見田方村・南百村・別府村・千疋村・四条領・柿木
村・麦塚村右村〻高合(ママ)寛文弐寅年ゟ忍領阿部豊
後守様御領地ニ相渡罷有候処、文政六未年六月廿八
日松平下総守様江御領主替被仰渡有之由ニて同年暮
迄ニ引渡ニ相成候
一東方村右村高千廿六石壱斗弐升八合之内上組高五百
廿四石九升七合、西組当名七郎右衛門殿組分、下組
高五百弐石三升壱合、東組当名庄右衛門殿組分、寛
文十壱亥年ゟ万歳佐左衛門様御知行ニ西方村御知行
所一同被仰付候由相違無之申伝候得共、丸高ニ候哉
内高ニ候哉当時ニ至東方村ニ其頃之御割付一通も相
見江不申、且又元禄十一寅年御上地設楽勘左衛門様
御代官所ニ相成、猶又同年忍領阿部豊後守様御領分
御増地ニ相成候趣右村方心得書ニ御座候、然ル上は
万歳様江熊ヶ谷在ニて替地相渡り候由申伝候、
懸案ニ候東方村丸高万歳様御知行ニ相成候哉、又は
内高ニて残高御料所ニて罷有候哉、御割付無之上は
当時ニ至聢と相成兼候様子、右村心得方ニ御座候得
共延宝八申年西方村ゟ八条村江相掛り候添井堀出入
御裁許絵図面ニ、八条領村〻御料私領色訳有之処、
東方村皆私領之色訳ヶ猶又翌酉年東方村ゟ西方村江
相掛り候蔵屋敷地所分取可申旨出入御裁許絵図面御
裏書御文書之内ニ
十七八年已前見田方村私領ニ渡候ニ付、見田方村米
蔵私領之地江引取之候、其以後東方村も私領ニ渡候
得共米蔵其儘指置之候、右之通御文書ニ有之上は丸
高御私領ニ相成候と相聞候
一伊原村、右村高五百七拾七石四斗五升七合之内
一古領と唱へ名主七郎兵衛殿組分高三百八石七斗五
升八合、寛文九酉年戸(（土）)井能登守様御領分ニ相成、
延宝九酉ゟ御上地御料所ニ相成由西袋村役元書留
ニて承知仕候得共、延宝三卯年本所御上水堀新開
之節同村新領と唱へ候名主新右衛門殿組分、阿部
豊後守様御領分潰地ニ相成候故、同村古領名主七
郎兵衛殿組分ゟ替地差出候慥成証文有之候得は、
最早延宝三卯年頃は御料所ニ立帰り候哉ニ相聞候、
一新領と唱へ名主新右衛門殿組分高弐百五拾六石六
斗三升九合、寛文二寅年ゟ忍領阿部豊後守様御領
地ニ相成、元禄十一寅年御上地御料所ニ立帰り申
候、尤右差替り東方村忍領阿部様江御増地ニ丸高
同年ゟ相成由申伝御加増地と相聞候
（ママ）
一蒲生村右村高
一右村高之内高弐石五斗八升六合此反別三反弐畝廿
歩古河領地ニ相成、右は西方村地内谷古田用水堀
新開之節潰地敷之分蒲生村ニて替地ニ領主江相渡
ル、延宝八申年ゟ元禄十丑年迄拾八ヶ年之間
（ママ）
一瓦曾根村右村高
右村高之内三斗弐升三合此反別四畝拾八歩大相模大
聖寺御朱印地ニ相成、右は西方村地内谷古田堀新
開之節潰地ニ相成候、大聖寺御朱印地替地として
瓦曾根村ニて相渡ル延宝八申年ゟ、尤其頃西方村
之儀は御私領ニて罷居候間、隣村へ被仰付候と相
聞候
一青柳村
一高五百石塙宗悦様御知行ニ相成、天和頃と申伝候
得共聢と不知
一高五百石奈須玄蕃様御知行ニ相成、右同断
一立野堀村・後谷村・柳宮村・上馬場村・小作田村・
松之木村・伊草村・川崎村之内半分・伊原村之内半
分右村〻寛文九酉年登(（土）)井能登守俊房様御領分ニ相成、
延宝九酉ゟ御上地ニ相成、御料所伊奈半左衛門様御
代官所ニ相成由西袋村書留ニ有之候得共、伊原村之
御検地之様子見請候得は、右年暦不都合ニ相聞候、
能〻承糺置度事
貞享元子年土井御領分上地ニ相成居候分新御検地被
仰付候
村〻新規石高書覚
一八百三拾四石九斗弐升九合 鶴曾根村
一五百九拾五石五斗四升九合 立之堀村
一弐百五拾八石五斗六升壱合 伊草村
一百七拾六石壱斗弐升壱合 松之木村
二二百廿壱石五斗三合 小作田村
一三百廿石三斗五升 伊原村
一弐百六拾七石四斗七升壱合 後谷村
一百三石壱斗六升五合 柳之宮村
一弐百拾弐石六斗七合 上馬場村
一弐百廿六石壱斗三升弐合 川崎村
高合三千三百拾六石三斗七升
算当致し候所三千三百拾六石三斗八升八合、壱升八
合過ス
右高之内寺社境内元禄十一戌年御除被成下、村〻之内
ニて引高いたし当時ハ此高ニハ無之、但立之堀村後谷
村柳之宮村ハ当時高之通りニ御座候
萩原次郎太夫様
伊奈半十郎様 成瀬新左衛門様
熊沢武兵衛様 御役人 丹羽半太夫様
関口安左衛門様
右之書留西袋村役元ニ村〻御割付写し帳之末ニ
書留有之右を写置候
一大原村・中馬場村・浮塚村・大曾根村・垳村・古新
田村・大瀬村・伊勢野村
右村〻寛文二寅年森川下総守様御知行ニ相成候、此
高弐千六百五拾石
右は西袋村役元ニ左之年歴書留有之候、右主水様御
知行四百石引請ニ相成候事不分明ニ御座候
一木曾根村・弐丁目村・川崎村之内半分
右三ヶ村延宝年中松平民部様御領分之由、上馬場村
ニ印形之書物有之候
懸案何年ゟ右御領地ニ相成何年御料ニ立戻り候哉、
右村〻御尋候ハゝ可相知候、諸事上馬場村役元ニ旧
記書物多分相見候、先祖代〻叮嚀之事共ニ御座候
西方村享保二酉年頃村〻高手控帳ニ木曾根・弐丁目
両村高合千百九拾五石八斗五升弐合、勘左衛門様御
代官所ニ書記有之事、猶又同年手控帳ニ川崎村之内
訳ヶニ相見江高弐百廿五石六斗七升弐合川崎村、高
弐百十一石八斗四升弐合上知同村抔と書記有之候得
は、川崎村半分松平民部様御領分ニ相成由ハ、弐百
拾一石八斗四升弐合上知同村之分と相聞候
一弐丁目村、右村高五百五石弐升五合之内
（ママ）
高弐百石は宝暦 年より江戸深川霊雲院御朱印地ニ
相渡、内弐拾石霊雲院境内之替地ニて御上地ニ相成
御料所ニ立戻ル、引残百八拾石御朱印
一中馬場村、右村高之内百五拾石幸田友之助様御知行
所成、是ハ寛文二森川下総守様御知行所ニ相成候、
弐千六百五拾石之内ニて訳ル
一大原村之内四拾壱石八斗五升壱合、中馬場村之内九
拾八石七斗四升九合
右村〻高之内二口合百四拾石六斗弐合森川主膳様御
知行成明和九辰ゟと覚候、是ハ寛文二森川下総守様
御知行所ニ相成候弐千六百五拾石之内ニて訳ル