元荒川通荻嶋村地内〆切、曲り目堀替其外堀替心得方

　　附越ヶ谷地内天嶽寺脇堀替之心得方

一元荒川荻嶋村地内〆切堀替、宝永四亥年二月有之候

　と谷中村三右衛門殿旧記ニ書留有之

　　右場所堀替之儀袋山村願出候は、一躰村方窪地候

　　処元荒川取巻罷有候故平水ニても差水多、別て出

　　水之砌り畑地ニ水押上り難儀御田地相続も相成兼

　　候ニ付、種〻ケ条を以宝永元申年願出候様子、右

　　村〻願書控等も有之、全宝永四亥年元荒川堀替ニ

　　相成候事無相違候得共、袋山村ニ年月慥成儀控書

　　物当時至り見当り不申候得共、右亥年前後両年之

　　御用留帳ニ左之通御先触廻状写有之

　　　　覚

　一武州星川元荒川下古利根川通御普請、先達て村〻

　　ゟ願出候ニ付、此度我等共見分被仰付近日江戸出

　　立相廻候之間、御普請願口村〻ハ絵図願書相認置

　　場所引合可致案内事

一傍示杭竹縄入候間杭木長六尺程四方削普請所ニ応

し用意可致置候、御普請願無之村ニても川筋之儀

可相尋候之間、案内役之者川通江可罷出候、其外

無用之者一切罷出間敷候事

一江戸立日限相認村方可申遣候、人馬員数之儀は泊

り村ゟ可触出候間、無用之人馬多集置間敷候事

一泊村相考村付之上ニ書記遣之候、見分所手間取候

間泊り村引替候儀も可有之候、尤掃除繕其外馳走

ヶ間敷儀一切可為無用事

一御普請所見分御用九右衛門病気ニ付此度は不相廻、

長左衛門并両人之手代罷越し可得其意候、右廻状

　ニ村付之下江名主致印形当月廿三日迄昼夜を不限

早〻相廻し、留り村ゟ長左衛門方江可相返候以上

　　戌正月廿日　　　　　　　　比企長左衛門

　　　　　　　　　　　　　　　今井九右衛門

　　　　覚

明十五日其村〻名主組頭古川ニ葭柳持場之百姓、

明五ッ前忍間村名主方迄召連可被参候、荻嶋村ニ

ては新川潰地請ニ百姓是又召連可被参候、被仰渡

候御用有之如此候、此書付夜中無遅〻相廻し明朝

可被指上候以上

　　子八月十四日　　　　　　栗原喜太夫

　　　酉ノ申刻忍間村ゟ　　　浅見仍右衛門

岡田清右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　袋　山　村

　　　　　　　　　　　　　　　　荻　嶋　村

　　　　　　　　　　　　　　　　下間久里村

　　　　　　　　　　　　　　　　上間久里村

　　　　　　　　　　　　　　　　　　右名主中

　右之通前後御廻状之様子ニて亥年堀替ニ相成候儀

　無相違末〻心得可知事

　　越ヶ谷地内天嶽寺脇堀替心得方

天嶽寺脇堀替之儀何年とも問可尋年寄も無之候得共、

元荒川通ニ花田袋山其外壱ヶ村右三ヶ村川筋ニ大曲

り之場所一同ニ堀替御普請出来候由古人之申伝ニて

知処也、然ルニ荻嶋村〆切堀替之儀は年限樋成書物

相知候得共、右天嶽寺脇堀替も同年ニて則宝永四亥

年ト相聞候、尤後日燧成年限之儀も相知候ハゝ右江

書添可置候