附大相模不動堂ニて雨乞壱七日御祈願之事

　右は六七月照続溜井渇水仕候ニ付、四ヶ村用水路掛

　渡井旱揚り用水一向流行無之、依て其筋御支配御役

　所へ相願、掛渡井脇堀割汲水組合番水刻限議定左之

　通り

　　　為取替申議定之事

四ヶ村組合用水路

一掛渡井西脇石橋石垣迄堀割

　　但右堀割埋立蒲生村、登戸村、西方村三ヶ村ニて

　　相仕立候筈

一朝五ッ時ゟ暮六ッ時迄汲水組合

　　瓦曾根村　西方村　登戸村　但本田斗

一暮六ッ時ゟ朝五ッ時迄汲水組合

　　蒲生村　登戸村　但新田耕地斗

右は此度溜井渇水致し四ヶ村用水路掛渡井旱揚水流

行無之、依之登戸村、西方村、蒲生村ゟ御支配御代

官様へ奉願上、則御出役被成下候上、地元瓦曾根村

へ掛渡井脇堀割不仕旨被仰付、承知之上右之通対談

相調取究申上ハ違乱仕間敷候、依て一札為取替申所

如件

　　寛政六寅年七月　　　　 蒲生村

　　　　　　　　　　　　　　年　寄 久 兵 衛印

　　　　　　　　　　　　　　同　　 新　　蔵印

　　　　　　　　　　　　　　百姓代 虎　　市印

　　　　　　　　　　　　　 登戸村

　　　　　　　　　　　　　　名 主 八右衛門印

　　　　　　　　　　　　　　年 寄 平　　八印

　　　　　　　　　　　　　　百姓代 孫 三 郎印

　　　　　　　　　　　　　 西方村

　　　　　　　　　　　　　　名 主 助　　八印

　　　　　　　　　　　　　　年 寄 孫右衛門印

　　　　　　　　　　　　　 百姓代 伊右衛門印

　　　　　　　　　　　　　瓦曾根村

　　　　　　　　　　　　　　年 寄 孫左衛門印

　　　　　　　　　　　　　　同　　 政右衛門印

　　　　　　　　　　　　　　百姓代 中村万之丞印

　　右議定本紙壱通西方村名主助八方へ預置候

　　　大相模不動尊雨乞之事

右は寅六七月照続溜井渇水仕昼夜汲水仕候得共、中〻

以不行届田毎ニ自割ニ相成、依て近村申合不動尊へ雨

乞相願一七日之御祈祷禱ニ御座候、且村方を初メ朝夕掛

念仏鉦太鼓ニて日参有之、追〻近村も組入一七日之中

程ゟ末〻至り候得は、八条領川通り草加在越ヶ谷近辺

迄不残、村〻ゟ三十人、五十人、七八十人宛村〻目印

登り挑燈押立参詣有之、境内ニて暫く念仏真言を一身

不乱ニ咒、古今ニ申伝も無之雨乞成事、殊ニ近宿卸〻

ニてハさらしもめん冠下帯ニ相成故売切一向無之様ニ

相成、然ル処詰願之当日昼過ゟ子丑方ゟ黒雲押出雷夕

立ニて大雨降押流、民悦事無限、夫ゟ追〻しめり合宜

敷作方も可成ニ仕来仕候、勿論村〻ゟ不動尊へ夫〻奉

納も有之、凡大聖寺ニても雨乞本式之仕度旁諸入用弐

拾両も相成り候物之由ニ其節承り伝候

　　差上申願之事

一永〻之旱魅ニて左之村〻汲水も無之、田畑共不用ニ

も相成可申哉と大勢之者相歎、迚も人力ニ難叶、但

先例貴寺様ゟ雨乞御祈藩奉願度挙て相願候ニ付、乍

御苦労御祈念被成下度奉願上候、以上

　　寅六月廿六日

　　　　　　　　　　　　　　　西方村

　　　　　　　　　　　　　　　　平　　内

　　　　　　　　　　　　　　　　茂右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　喜 兵 衛

　　　　　　　　　　　　　　　　幸　　八

　　　　　　　　　　　　　　　　新　　内

　　　　　　　　　　　　　　　東方村

　　　　　　　　　　　　　　　　七郎右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　徳 兵 衛

　　　　　　　　　　　　　　　見田方村

　　　　　　　　　　　　　　　　長左衛門

　　　　　　　　　　　　　　　瓦曾根村

　　　　　　　　　　　　　　　　八右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　南百村

　　　　　　　　　　　　　　　　七郎兵衛

　　　　　　　　　　　　　　　四条村

　　　　　　　　　　　　　　　　藤　　助

　　　　　　　　　　　　　　　千疋村

　　　　　　　　　　　　　　　　新五右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　別府村

　　　　　　　　　　　　　　　　市右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　柿木村

　　　　　　　　　　　　　　　　四郎右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　甚右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　伊原麦塚兼

　　　　　　　　　　　　　　　　嘉 藤 太

　　　　　　　　　　　　　　　加生登戸兼

　　　　　　　　　　　　　　　　久 兵 衛

　　　真大山

　　　　大聖寺様

六月廿七日初少〻宛弐度ふり、同廿八日又ふり、晦日

はら〳〵とふり、結願大雨右之通り御用留ニ控有之候

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