続史料編(二)の刊行にあたって

越谷市教育委員会

教育長 池沢国彦

今回教育委員会社会教育課、昭和五十六年度事業の一環として、「越谷市史続史料編(二)」の刊行をみました。

本史料編は、越谷市史続史料編(一)に引き続き続史料編の二集にあたります。これには続史料編の(一)に収められなかった、西方村(現相模町)の「旧記」のうち「四」と「五」、それに「大龍山東光院安国寺記録」、「迎摂院寺格留記」、「大林尼寺旧記并規定」、東方村(現大成町)の「諸願訴届書」の六編が収められています。

それぞれが昔の越谷をさぐるうえで参考になる史料です。ことに本編には、大泊の安国寺、四町野村(現宮本町)の迎摂院、大林の大林寺の由緒をはじめ一件記録が収められており、興味ある史料編となっています。もっとも、史料編という性格から、一般の方々にはあるいは難しすぎるかも知れませんが、史料そのものは永久不変のものです。それだけに価値は大きいと考えています。

史料の原本は、長い間には破損したりなくなったりする恐れがあります。しかも一般の方々がそれを利用することは、史料の所蔵者に借用を願ったりその他でたいへん難しいことですが、これを活字にすることによって、容易にこれを利用することができます。どうかより多くの人が越谷の歴史を調べるうえで、この史料編を活用していただきたいと思います。今後ともこのような隠れた史料を世に出すため、逐次史料編を発刊していくつもりです。

終わりながら、貴重な史料を提供していただき、かつその活字化を承認していただいた史料所蔵者に対し厚くお礼申し上げます。