(宮本町迎摂院蔵)
（表紙)
安政五戊午年五月吉祥日
談林格薄黄色寺格留記
御法流 越谷山神宮寺
第弐十四世 迎摂院
談林格薄黄色中興第一世法印秀玄
覚
一弐月廿四日談林格ニ相成候上、前頬之身分ニ付為冥
加一代移転地ニ相成、当院江引籠度旨惣檀那七十人
斗打寄申談、右ニ付有信之檀那江日月牌等助成申入
候処、一同承知之由決談之事
一本寺金剛院忍澄様三月十二日入院之砌当院江御立寄
被成、諸事御入院式相済候後、内〻本寺江以参今般
談林相成薄黄色御免ニ相成度段伺候処、談林は本末
之花美ニ候間兎角可然候得共、内心之一代移転地ニ
引籠候事ハ惜敷事ニ候条、此上永住山相遂本移転下
向可然可勤由呉〻深切被仰聞、依て篤と思案可仕旨
相答引取候事
一四月初旬名主角太郎殿入院祝義之序を以本寺江伺出、
乍序当院寺格直之儀申上候処、門末江御談之上ニ可
致と之被仰ニ御座候事
一四月廿五日願書相認直参候処、何れ門中江致相談候
上沙汰可及と之由被仰聞引取之事
一重て伺ニ罷出候処、門中ニて新談林ニ相成候上一﨟
席之観照院へ被譲候ては出過侍対ニ相成、本寺弐ヶ
寺持様ニ相成抔申聞、不承知之一決之由、就は再三
門末示談之上漸承知ニ相成、弐色如寺格之様ニ本寺
江門中ゟ承知連印差上候、文段御末迎摂院談林三色
頂戴仕度由願出候段随喜之至ニ奉存候、以下略之
御四箇寺御月番弥勒寺江、触頭真福寺ゟ被致添簡
ニ付差上候願書
乍恐書付を以奉願上候
一武州埼玉郡中島金剛院末同国同郡四丁野村迎摂院儀
は、右本末之最初ニて候故、古来ゟ定一﨟不入之
御朱印頂戴仕、越ヶ谷郷七箇村惣鎮守之別当ニて、
三箇年ニ壱度道中御奉行所江相願、往来廻道御聞済
ニ相成、大祭礼執行候節立会寺院共有之申、同衣之
躰外儀不宜ニ付、安永三年午三月御直触弐色寺格直、
願之通御許容被成下侯処、其後同末之内ニても追〻
寺格直五ヶ寺共同様ニ相成、唯今安永三之度ニ復古
仕、且越ヶ谷宿千五百軒余之惣菩提所、浄家天嶽寺
之儀は抜群之寺格ニ御座候て、黄色は勿論外色衣迄
着用ニ相見実ニ見聞共ニ宜、宗派格別とは乍申同所
寺院之儀、鎮守菩提之差別は御座候ニも、氏子旦那
之俗情難捨止、何分ニも彼是、非格之様ニ被存知、
殊更神事祭礼之砌神輿供奉之式躰立会寺院と同衣之
躰、旁外儀不宜のミに無御座、平常之祈願ニ至迄多
人信心之厚薄次第ニ随ては、自然神威ニも相拘り、
至ては宗門興隆筋ニも可及と先住は勿論、氏子門檀
共多年之悲歎不浅、談林格薄黄色着用仕度段願上度
奉存候処不得時節、漸時機一同今般弥成熟仕候て此
上右宮并別当処之修復ニ至迄相励丹精可仕候条、何
卒被為 訳聞召、御本山江御添簡被成下候様偏ニ奉
願上候、右願之通於御許容は祭礼之儀式は不及申、
寺格共興隆ニ相成出格之 御法愛ニ迎摂院并門檀氏
子一同挙て難有仕合可奉存候以上
安政五午年五月 右願人 迎 摂 院 印
右門末惣代
同国同郡谷中村
西 福 院 印
氏子惣代
越ヶ谷本町
丸子ノ事也
弥 兵 衛 印
同旦中惣代
四丁野村名主
御触頭 角 太 郎 印
真福寺様御役者申
前書之通願出ニ付、本末一同評義仕候処差支之儀無
御座候条、則門末連印拙寺江取置奥書印形仕、倶〻
奉願上候以上
本寺 中嶋金剛院 印
同起立書之控
武州埼玉郡四丁野村迎摂院起立書
一開 基 賢栄法印
一御朱印 不入高五石
一御代官 小林藤之助殿
一本 寺 中嶋金剛院
一法流相続 初法談相勤
一本 尊 弥陀如来
一本 堂 十一間 九間半
一書 院 五間 三間
一庫 裏 拾壱聞 五間半
一鐘楼堂 一宇
一鎮守久伊豆大明神 壱社七ヶ村惣鎮守
一浅間宮 平社越ヶ谷本町
一表 門 壱ヶ所
一裏 門 壱ヶ所長屋門
一御除地 壱丁四方程
一御年貢地 三丁程
一門 末 五ヶ寺
一滅罪担家 三百軒余
一祈願担家 百五拾軒余
一小池坊留学 弐拾三箇年
一法﨟弐拾九ヶ年 世寿四十三歳
一仮名貞算 実名秀玄
右之通相違無御座候以上
安政五午年五月 迎摂院印
御触頭
真福寺様御役者中
此通弐通御月番様江も差出申候、本寺江ハ勿論差
出候
一寺格直ニ付本寺院家ゟ再三被仰聞差上候議定書、本
寺代僧ゟ触頭并ニ御月番へ被伺御差図を請度由願出
候ニ付、六月七日御内寄合御差図請本寺差上ヶ、本
寺ゟ触頭御月番江写し弐通差上置候議定書左之通り
奉差上候御請議定証文之事
一正月九日年頭は御大切之御祈禱般若之儀出席仕、三
月・七月出仕は御免之筈
一座席は奥書院御廊下別控処、法要列座は一﨟之上座
ニて弐﨟之上ニ着座之筈、但一行之節は一﨟之上ニ
可列筈
一拙寺門徒并弟子共之分は、正月金剛宝蔵之砌新加為
勤候ニ付、則初登山也、添簡は可仕筈但初居継ゟは
一切添簡仕間敷筈
一夏冬報恩講是迄通御本寺会場江相勤可申筈、但拙寺
入院渡儀は格別
一是迄仕来候報恩講打訳は次席江相譲り可申筈、
一薄黄色転衣願之儀拙僧は田舎年数、且本山住山弐十
三箇年成満ニ付依願ゟ 御免許被成下候得共、従是
以来之住僧は本山年数弐十箇年成満仕候上ニ無之は
決て薄黄色加免御添簡願上申間敷、若右之外御本寺
江勤方有来之儀是迄通相変儀無御座筈、尚又箇条之
儀談林格寺格式之様ニ奉存候廉も御座候間、書面之
通書列候得共、於御本寺御差支之義も御座候ハゝ、
不拘箇条ニ諸事随御差図、何時成共御請仕少も違背
不仕堅相守可申候、依之議定奉差上候処如件
安政五午年六月 御末四丁野村
迎 摂 院 印
右諸門末惣代
谷中西福寺 印
御本寺金剛院様
御役僧中
訳
一御本寺交代其外御差支之節は、猶拙寺論場補助可
仕筈
一御講堂修利金支配は是迄通之筈
右之弐ヶ条連書本寺江書連差上候ニ付、後日ニ差
支可有由ニて談家ゟ再三被申聞、跋書ニ尚又〻下
書加候事、然処本寺ゟ議定差支哉否之義役寺江本
書を以伺候ニ付、右弐ヶ条相除き薄黄色弐十ヶ年
已上之添簡之一ヶ条書載セ置との御差図ニ相任セ、
前書之通納写之上ニ御評席ニて書直シ上候事
尤弐ヶ条相除候上は跋〻尚又〻下共相除度候処、
本末殊ニ不容易願筋彼是相もつれてハ成就仕間敷
と存、其儘差入置候ニ付、其後役寺表御聞済之届
本寺へいたし候ゟ、本寺非分所望之倶〻願ニ候迚
目出度とも不被仰候て、七月初旬ゟ門末之もの共
宝珠院を相始メ打集メ、其席ニて又〻門中議定為
致、過分之儀申掛られ難義いたし候
其訳
一冥加金ニは不拘議定書のミ堅致候得ハ、後住江申訳
有之由、其儀ニ不及と申聞られ候得共、先如弐色金
七両弐分差上度趣を以、強て前以支証差上置候て役
寺表御聞済之上は可相納、且為継目其外金五両可差
上約定之処、右ニては不足ニ候迚左之通被仰聞候
一報謝金として金五拾両、且又左之通議定可差出と
の事
差上申議定一札之事
是ハ趣意を以自ラ被仰候廉を記
一今般談林格三色頂戴之上は、門末評義ニは筋違申間
敷、且門末相談相決候儀一切故障申間敷、別段之儀
ニて本寺ゟ御沙汰之節は早速出席仕御差図請御相談
可仕事
一御四箇寺様ニて薄黄色着用御許容御座候得共、御本
寺御出席之砌りハ何方ニても遠慮仕着用致間敷事
一談林格三色頂戴仕候ニ付、御本寺継目等寺格相応ニ
相納可申事
一御本寺江出金其外諸勘算、是迄は門末仲間金ニて出
金候得共、以後は十分之内弐分、迎摂院ニて出金可
仕候事
右之通報謝金并四箇寺再三被呼被仰聞候得共、御役
寺表御聞済且議定も兼て請御差図致置候上は、新ニ
又候議定之儀難渋申立御請不申、且報謝金ハ出府前
ニ支証差上候通、七両弐分ニて御勘算請度由一向ニ
申答候処、被申聞候は門中一同一決之儀、不申請上
は及出訴段切と被申聞候ニ付、無余義相答江引取待
居候処江、袋山村吉左衛門殿を本寺ゟ相頼扱ニ入候
事、済ロハ後ニ廻ス、乍併先ニ申分相立候事
一前〻之通願書起立書持参、本寺代了允并氏子且中惣
代松沢権之助殿連立馬喰町宿着、御口番弥寺様御事
土巨方之阿闍梨ニ付御見舞申上御内意を請候処、田
舎本寺ニて檀林ニ相成候寺院ハ例も沢山有之、武蔵
ニて近頃明星院末ニて三之宮一乗院、尾ノ勝軍寺、
長宮大光寺、弐色談林ニて薄黄色着用ハ不相成と申
事、其訳は四箇寺以上之末寺ニても、御朱印未頂寺
院ハ弐色、有載は三色御免許、是ハ定之事、本山年
数廿箇年已上ハ是も黄色着用尤薄黄也、其由ハ寺格
三色成ル故也、田舎本寺之寺院ハ紅色一色ハ一色、
弐色ハ弐色との寺格ニて薄黄の寺格ニてハ無之故也
一田舎本寺、四ヶ寺以上の末寺ニ大ニ界判別也、可
考知也
前条ニ付田舎本寺を持候寺院ニて、薄黄色着用之談
林其例役寺一同ニ無之由被仰聞候、右ニ付当院ハ拾
箇年已上之弐色頂戴候条弐色談林ニては面白無御座、
尤大途弐色も拾五ヶ年已上之三之一乗院等皆十五年
也、当院ハ結構の弐色也、是も定一﨟の故也、今般
是非共薄黄色着用之談林ニ相成度、弐色談林ニて転
格不致段申居候処、外御役寺江役者中被談判先願書
差出、別段御内寄合料差出一評可願段被申聞則願書
差上、六月九日添寺様ニて御内寄合之御聞済願書御
取上之事
一薄黄色之儀、寺格之談林と一同之願ニ候得共、別段
相願候心得ニて可有之由被申聞、当日馳走頂戴仕引
取候事
一翌十日伺罷出候処、御月番御院家ゟ談林格之添簡可
致由御聞届、薄黄色之儀其例無之処、四ヶ寺以上之
末寺二て無御 朱印ニて別段薄黄色相願聞済候寺有
之、田舎末寺ニて、たとへ御 朱印頂戴有之共着用
不相成筈、左候得共宮末之右四ヶ寺以上之末寺ニて
無御朱印ニて相願聞済着用例有之上は照映候得、田
舎末ニても御朱印御座候ニ付、会合して今般依願ニ
て黄色尤薄也着用之儀、無相違一決之由御聞済被仰
渡、均ニ添寺様之御力と難有奉存候、尤以田舎末之
談林所三色着用之亀鑑誠以目出度随喜仕候
一翌日目録を以御礼廻勤相済、目録等下に出之
一両本山江願書起立書
一武州埼玉郡中嶋金剛院末同国同郡四丁野村迎摂院奉
申上候、拙寺儀従往古是迄夏冬報恩講之儀、本寺会
揚江相勤来り差支之儀無御座候へ共、為人法興隆談
林格式ニ御願申上度、代〻住僧多年之懇望ニ御座候
処、重御願故是迄空敷罷在、今般先師年廻ニ相当候
ニ付、門末并檀中之もの共一同出精仕、為報恩謝徳
談林格ニ被成下度奉願上候、尤談林格御免被成下候
ても是迄通門末并弟子共本寺之会場江為相勤候趣を
以金剛院江申出候処、右本末一同何等之故障も無御
座候ニ付、則奥書印形被致、倶〻被奉願上候間何卒
人法興隆と被為思召、格別之御法愛を以右願之通談
林格式被仰付被下置候ハゝ、本寺旦中挙て難有仕合
奉存候以上
安政五午年六月 武州埼玉郡四丁野村
迎摂院秀玄（花押)
門末惣代
西 福 院 印
旦申惣代
角 太 郎 印
智山御鑑寺壱通
豊山御鑑寺壱通
御月番も一通差上置候
如前〻起立書壱通宛相添豊山組内法起院江頼状
を以飛脚便出
御礼目録左之通
一金三百疋 御院家様
一同百疋 御役者
右臨時御寄合御礼
一金五百疋 願入
一同三百疋 同断御役者
一青銅壱貫文ツゝ 御玄関五人
右新談林願入
一金千疋 御院家様
一同五百疋 同御菓子料
一同五百疋 御役者
一同百疋 御菓子料
一同弐百疋宛 御玄関五人江
右新談林御礼録 真寺様江
一金三百疋 御院家様
一同百疋 御菓子料
一同百疋 御役者
一青銅弐拾疋ツゝ 玄関御両人江
右臨時御寄合御礼
一金五百疋 願入
一同三百疋 御役者
一青銅壱貫文ッゝ 御玄関五人江
右新談林願入
一金千疋 御院家様
一同五百疋 御菓子料
一同五百疋 御役者
一同百疋 御菓子料
一同弐百疋宛 御玄関三人江
右新談林御礼録 御月番様江
一金百疋ツゝ 御役者メ
一金三百疋ツゝ 御院家様
右臨時御寄合御礼
一金千疋ツゝ 御院家様
一同五百疋ツゝ 同断御菓子料
一同三百疋ツゝ 御役者
一同百五十疋ツゝ 御玄関
右新談林御礼録
円福寺様
根生院様 御同様也
薄黄色御免御礼
一金五百疋 願入
一同三百疋 御役者
一青銅壱貫文ツゝ 御玄関五人江
右願入分
一金干疋 御院家様
一同五百疋 同御菓子料
一同八百疋 御役者
一同弐百疋 御菓子料
一同六百疋 御玄関五人江
外ニ青銅弐十疋ツゝ
右御月番触頭様御同様
一金九百疋 御院家様方
一同壱両ツゝ 同御菓子料
一同五百疋 御役者
外ニ青銅五十疋ツゝ
一金弐百五十疋ツゝ 御玄関
外ニ青銅弐十疋ツゝ
右根生院円福寺様御同様
〆金六十六両弐分壱朱セニ壱貫六百六文
薄黄色加免御礼録
一白銀三十枚 両山江御礼録
訳 白銀十枚宛 御院家様
同五枚ツゝ 御監事
〆金拾九両三分ト銀二匁 六十五匁切
一同九月十九日代貞利を以御両山御免許為頂戴候之処、
従円寺様御下ヶ之振合ニ添寺様ニて頂戴仕候、且薄
黄色寺附之御免状則御四箇寺様御連判、是ハ新例之
儀ニ付度〻之歎願ニて漸御聞済ニて頂戴仕候、右御
渡之節奉差上候御請証文之写
差上申御請一札
一拙寺新談林格式御願申上候処、御披露被成下今般従
御両山御免状被成下難有頂戴仕候、猶又薄黄色加免
之儀御願申上候処、本山之年数弐拾ヶ年成満之住僧
於願出は不可有子細旨、格別之趣意を以御免宥被成
下難有仕合奉存候、然上は御公儀様御法度并一派之
御条目等不及申上、常法談所本寺之寺法先〻仕来之
通を以、座階等仕、門末仲ヶ間他門之附合等迄万事
本寺ゟ之下知違背仕間敷旨、拙僧は勿論後来之住僧
ニ至迄急度相守少も違乱申間敷候、万一対本寺座階
等都て新規之非例之儀申越及争論於致出訴は、右之
御免状可被召上旨被仰聞承知奉畏候、依之御請一札
差上申処如件
安政五年九月
武州埼玉郡四丁野村
迎 摂 院 印
門末惣代
西 福 院 印
氏子旦申惣代
権 之 助 印
御四箇寺様壱通
真福寺様壱通
奉願上候薄黄色加免起立書
一開 基 賢栄法印
一御朱印 不入高五石
一御代官 小林藤之助
一本 寺 中嶋金剛院
一法流相続 初法談相勤
一小池坊留学 弐拾三箇年
一仮名貞算 実名秀玄
右は香色浅青弐色、御令旨、寛政三辰年中従御当
院様御下被下頂戴仕候、依之今般薄黄色加免之寺
格御許容之通、転衣被成下候様奉願上候以上
安政五午年九月 武――
迎 摂 院 印
真福寺様
御役者中
前書之通加免寺格之薄黄転衣奉願上候、依之奥書御
添簡被成下候様奉願上候以上
本寺金剛院様 御末迎摂院印
役僧中
一右之通御免状三色頂戴之上、本寺表之一件細沼殿被
取扱、継目金之積ニて五両、冥加金拾五両之積り祠
堂金被加候金高は、本寺之思召次第当金拾両持参、
跡金拾両ハ未申弐ヶ年ニ納候筈ニて、新規四箇条議
定致、且一膜職之儀当時観照院他出中、品ニゟ越後
之宝光院転住ニも相聞候条、後一﨟相応之人躰見当
迄、当分之内迎摂院江本寺院家ゟ直〻頼むと被仰候
筈ニて、伺之儀書は其儘差置候筈ニて無何ニ相済当
分一﨟席補助いたし居候
一講堂金支配も本寺彼是申之、議定書ニ相除き候得共、
是は往古ゟ支配之規模本山へ対し本寺ニ取上候抔と
申越六ヶ敷、尤当院ニては差上候て楽ニ相成度候、
誠ニ難物ニて候
御許状頂戴礼録覚
一弐百疋 御院家様
一百疋 御役者
一青銅弐十疋 当番衆五人
真福寺様 御月番様御同様円福寺様也
一金百疋 御院家
一青銅五十疋 御役者
一同弐十疋 当番衆
根生院様
弥勒寺様 御同様
〆金弐両ト三貫四百文
諸懸金覚
一金拾両程 弐月廿四日檀中参会之酒食料雑用
一金弐分余 権中廻村小遣雑用、紋左衛門殿江渡
一金弐分ト三百文
門末参会酒食料并小使江本寺ニ納
一金弐百疋ツゝ 御院家方江
一金百疋ツゝ 御役者中へ
一金五十疋ツゝ 当番中へ
右は出府見舞として御四箇寺へ願已前廻勤
一金弐百疋 護持院様江御見舞
一金百疋ツゝ 両御役者中江
一金三分ト弐百文
前勤印御代官其外下部へ土産料
右出府見舞ニ頼置候
一金百疋 真福寺様江
一金五十疋 御添簡料
一青銅五十疋 当番中江
右御添簡頂戴礼録
一鳥目八百文
真福寺門番江度〻出候ニ付遣し
一金百五十疋
弥勒寺様并林玄様へ出府土産菓子求也
一金弐分三朱
瓦おけ八出立酒食駕籠賃
一鳥目五百文
中嶋下男江戸役僧送り候付遣し
一金弐両也
中嶋役僧了允出府中小遣ニ上ル、内金壱両
金貸ニ相成候
一金百疋、和泉川弐升
中島院家江帰り土産料
一金壱両也
役僧了允へ出府謝礼
一金拾五両程
出府中雑用行帰り小遣共
一金弐分弐朱ト八貫文
帰之砌迎の人江酒食料并おけ八祝義代共
一金壱両ト八百文
黒谷村ゟ添人江謝銭として
一金弐百文
御免状世話方江見舞料、豊山法起院へ
一金弐百疋
豊山快全師京都江廻り呉候小遣謝銭共
一金百疋 同断別心附
一金三分ト壱貫文
出府中貞利往辺小遣、衣損し直し代共
一金壱分仁朱ト五百文
御許状頂戴ニ付弥勒寺様御内江役者取次へ菓子料
一金百五十疋セニ五百文
当番江貞利江遣候趣
一金弐両弐朱ト三貫弐百文
同貞利出府小遣并宿払等紋左衛門重立
一金壱分二朱
弐度目行小遣等
一金壱両弐分ト弐百文
薄黄色転衣官金也、同当番江
一弐百疋
真福寺江勘弁納
一金百疋
豊山中嶋組江披露ニ遣し、寺方へ
一同五拾疋
御監事江菓子料
一金弐拾両也 本寺江納高
訳一金四両弐分也 継目一式
是迄ハ金弐両壱分斗之継目ニ候処、寺格相直候ニ
付一倍ニ遣之筈
一金拾弐両弐分也 金祠堂江被加筈
一金三両弐分也 諸雑費ニ相成され候筈
右は当金拾両也、霜月七日持参細沼殿御役願角太郎
殿一同立会之上御披露申上御免許御写ニ相成候事
一金弐百疋 御樽料
一上半紙拾帖 右袋山江謝義
一金百疋 門前紋左衛門謝義
〆金六十三両壱朱ト銭十六貫五百文
四口成
〆金百五拾壱両壱分二朱ト銀六匁、
銭弐拾壱貫五百六文 此六七切
惣金〆百五十四両弐分壱朱ト
セニ百四十八文、銀廿匁
一右談林格薄黄色寺格直之儀、役頭会田角太郎殿発願
主ニ相成拙僧江助力ニ依て如意願相叶、均ニ今般之
大檀主ニ御座候、依之右一代院号居士共ニ相贈置処
候、尤居士号ハ永代先年相譲置申候事
耕禄院ーー居士 角太郎
貞恭院ーー大姉 同妻
一金百疋 未正月年始状一同為祝義中島組ゟ来ル返
礼也
未七月廿六日熊谷堤切荒川・綾瀬洪水此地へ綾瀬張
ねり上ヶ水土手敷ニ付、新方領押なべて床上迄水上
り水腐ニ付、先門末中へ披露物のミ相配り追て呼之
心得
一ふろ敷弐粘入弐帖 観照院
一同 同 宝珠院
一同 同 看住普慶院
一同 同 正福院
一同 同 持福院
一同 同 弘福院
一風呂敷壱粘入弐帖 花光院
一同 同 観音寺ヘハ追て遣
一同 同 光明院
一同 同 山王 返照院
一同 同 栢― 洞照院
一同 同 間久里正覚院
一同 同 小曾川西福院
一同 同 大房 千手院
一同 同 弥十 観照寺
〆十五軒、未八月廿日谷中西福院を以配之以上