附身元相応之高持江国恩金被仰付事

同米穀引上之ため小前江夫〻御囲米被仰付候

同文化六巳年米穀引上ため差加金被仰付事

一米価下直ニ付世上一統難儀之由、依之国恩を存知身

元相応之者江可及力ニ程は、米籾之内買入可囲置旨

御触、御支配御代官様ゟ御触ニ御座候、然ル処其後

弥右衛門御呼出しニて被仰渡候は、其村方ニ高持外

三人有之候間申合、右四人ニて御買上御差加金百両

差出可申段被仰付、其外御支配内所〻ニて都合拾人

御呼出御利解之上夫〻出金高被仰付候

当村方は弥右衛門四拾両、利左衛門同断(（ママ）)、孫兵衛同

断、次郎右衛門同断都合百両差出候積り

差上申御請書之事

一此度米下直ニ付、諸国一同難儀之由ニ付御買上金御

用被仰付、則私共四人ニて百両差出し可申候

一金四拾両　弥右衛門

一金弐拾両 利左衛門

一金弐拾両 次郎右衛門

一金弐拾両 孫 兵 衛

右之通り差出可申候、此度御廻村ニ付御請書奉差上

候、尤金子は来月十日迄ニ無間違上納可仕候以上

文化三寅十月廿九日　　埼玉郡西方村

名主 弥右衛門

同 利左衛門

百姓 次郎右衛門

同 孫 兵 衛

山田茂左衛門様

御役所

右日限之通り御上納仕候、勿論其節風聞ニハ来卯四

月ニ相成候ハゝ御下金ニ相成候趣則被仰聞候処、辰

七月ニ相成御下ヶ金ニ相成、金百両ニ付五両ッゝ之

割合を以御差加金、相添御下ケ被成下置候、有難頂戴

仕候

一米価下直ニ付米穀引上之ため、御支配御役所様ゟ村

〻廻村有之候て御利解被仰聞候は、当支配ニてハ村

高百石ニ付米弐俵ッゝ被仰付候趣ニ被仰渡有之候得

共、当村之儀は高持百姓四人先達て御買上金差出し

候得は、残高は五六百石ならてハ無御座候間、村方

ニて米百拾俵被仰付度相願、右之通御聞済願之通被

仰付右請書

差上申一札之事

一米百拾俵　但四斗入

右は米引上之ため此度被仰出候御趣意被仰触、猶又

具ニ御利解之趣小前江申聞一同難有納得仕前書之通

囲置申候、依之御請一札差上申処如件

文化三寅十一月一日　　埼玉郡西方村

名主 弥右衛門

同 利左衛門

同 茂右衛門

年寄 長 兵 衛

同 九 平 治

同 藤 蔵

同 七郎兵衛

山田茂左衛門様

御役所

右之通囲米致し置候処、来卯四月ニ相成勝手次第引

取被仰付候

文化六巳年十一月廿三日

一米価下直ニ付米穀引上ため差加金可仕趣種〻御利解

被仰聞、無拠弥右衛門利左衛門次郎右衛門孫兵衛四

人ニて金子百六拾両差出候処、左之通り請取手形御

渡し被遊候、請取手形とハ内実金子之出金高ハ差操

有之候ニ付、其訳別段ニ書訳置候

覚

西方村

一金八拾五両也 名主 弥右衛門納

右は御買上米代之内差加金書面之通り請取候以上

文化六巳年十一月廿三日

山田茂左衛門手附

山縣太郎右衛門印

覚

西方村

一金三拾五両也 名主 治郎右衛門納

右同文言御座候

覚

西方村

一金弐拾両也　　　　名主 孫 兵 衛納

右同文言ニ御座候

　　　　　覚

西方村

一金弐拾両也　　　　百姓 利左衛門納

右同文言ニ御座候

右之通請取手形ニハ有之候得共、正金八拾五両弥右

衛門、廿五両次郎右衛門、廿五両孫兵衛、廿五両利

左衛門差出置候、尤手形壱通利左衛門殿方へ渡置候、

残三通弥右衛門預り置右之外金拾五両百姓幸八殿上

納致置候、此手形別段ニ当人江預置候、然ル処年来

ニ相成候得共御下ヶ金無之難儀罷有候折柄、文政四

巳年稀成旱魃ニて実〻難儀有之候ニ付御下ヶ金願上

候処、八条領下御支配御代官平岩右膳様ニてハ早〻

御伺被成候由ニて半金ッゝ御下ヶ金有之由、其風聞

ニて所〻村〻ゟ一統願出候由ニ相聞罷有候処、外御

支配様之分は不残願相立不申一向御下金無之候