一並木四ヶ所　但両側長延拾九拾四間

山田茂左衛門御代官所

武州埼玉郡 西方村

但シ　川岸畑ゟ上流シ迄壱ヶ所

上流ゟ松圦迄壱ヶ所

松圦ゟ下流迄壱ヶ所

下流ゟ石垣端壱ヶ所

此木数弐拾九本　外ニ雑木小苗木四拾弐本

訳ヶ

並木壱ヶ所　川岸畑ゟ上流迄　但両側延長八拾間

此木数拾六本　節曲木

内　松木拾壱本但長弐間ゟ三間半迄、目通り五尺通

り七尺弐寸迄

(朱書)

「内壱本　雪折文化十二亥年二月御伺之上切」

雑木五本　但長六尺五寸ゟ八尺迄、目通り壱尺五

寸ゟ弐尺迄　外ニ雑木小苗弐拾三本

同壱ヶ所　上流ゟ松圦迄　但両側延長弐拾弐間

此木数無内　外ニ雑木小苗木三本

同壱ヶ所　松圦ゟ下流迄　但シ両側延長八拾四間

勿論圦上間数相除く

此木数拾三本　節曲木

内　松木四本　但長弐間ゟ三間半迄、目通り四尺

五寸ゟ六尺弐寸迄

(朱書)

「内三本　風折立枯文化四卯七月御伺御払ニ相成

切」

雑木九本　但六尺五寸ゟ九尺迄、目通り壱尺五寸

　　　　　ゟ三尺二寸迄

(朱書)

「内弐本　文化八未閏二月下流御普請差障ニ付御

伺之上切」

(朱書)

「内壱本　文化十二亥二月立枯ニ相成御伺之上

切」

外ニ雑木小苗木拾三本　

(朱書)

「内四本　文化八未閏二月下流御普請差障ニ付御

伺之上切取」

同壱ヶ所　下流ゟ石垣端　但両側延長八間

此木数無内　外雑木小苗木三本

(朱書)

「内弐本文化八未閏二月下流御普請差障りニ付御伺

之上切」

右並木之儀は、往古は日光道中筋之由村方申伝候迄

ニて、当時往還ニ無之天明三卯年布施弥市郎支配之

節、西方村役人より同郡瓦曾根村役人を相手取及出

入候処、同年十月廿七日裁許被仰渡先〻ゟ進退致来

り元並木ニは相違無之候得共、如何之子細ニ候哉、

並木帳も無之立枯ニ相成候節は其時ニ御払ニ相成候

由、去寅四月中風折立枯木三本先支配野田源五郎方

ニて御払伺差出し候処、惣木数目通り寸間改メ並木

相仕立場所絵図相添差出し候上ニて、御払伺差出し

候様被仰渡候段申送引渡候ニ付、去寅十一月中手附

之者差出し名細相改候処、書面之通相違無御座候、

尤此上苗木植付候様申渡し置候

前書之通御伺御下知相済候段被仰渡、則村方へ御伺下

写置可申旨被仰渡奉畏候以上

文化四卯七月

右は西方村地内溜井端松木根返り風折立枯三本、文

化三寅年先御願所野田源五郎様御役所江願出御支配

引渡し之上、山田茂左衛門様ニて御糺し御改として

寅十一月御手附村井辰五郎様御出役御越被遊、是迄

御役所は不及申御勘定所ニても御控無之、左之通瓦

曾根境ゟ同村役人為立会地境相改、其上並木仕立場

所間数木数小苗木等迄巨細ニ御改之上被仰立並木帳

御組入合帳相済候段、文化四卯七月風折立枯木御払

被仰付候、已後相心得居此趣意可相用事

猶又翌辰年三月右場所江松木小苗木三百本程植付申

候事