附大貫治右衛門様ゟ御法書頂戴有之事
右は三月二日戸田五介様御組御鷹匠方御大勢御通り
懸ニて、西方村地内字下手耕地前とふ蓮根田ニて黒
鶴壱羽御羽合御取捕被成御持被遊候ニ付、村方ゟ小
前并村役人とも追〻出向、不動裏ニて御鷹匠方ニ懸
合ニ相成候は、御場所違之儀ニ付其段御懸り御鳥見
様江御注進可申上段、依て右鶴村方へ御預ヶ可被遊
旨旁〻申争候上ニて右鶴預り置、依て御鷹匠方へ預
り一札相渡し右文言
奉預り一札之事
一黒鶴壱羽 外ニ鍬から壱挺
右は御場所内西方村字下手耕地前とふニて御羽合被
成候御鶴壱羽慥ニ奉預り候以上
文化十三子三月二日 八条領西方村
触次
名主 平 内
名主 吉 蔵
戸田五介様御組
御鷹匠原田善蔵様
然ル処小林村元野廻り佐源次殿扱人立入候得共、御
鷹匠様殊外御腹立ニて六ヶ敷被仰内済不行届、依て
夜通し葛西御掛り様へ御訴罷出候右願書案文左ニ
乍恐以書付御訴奉申上候
八条領西方村触次平内并村役人名主弥右衛門同吉蔵
一同奉申上候、戸田五介様御組原田善蔵様当村地内
御拳場之内字下手耕地ニて御鶴御捕押江被成候ニ付、
右鶴壱羽当村江留置預り申候間、乍恐此段御届ヶ奉
申上候以上
文化十三子年三月二日 八条領西方村
触次 平 内
名主 弥右衛門
葛西御掛り 同 吉 蔵
小堀兵次様
外ニ御鷹匠様江差上置候御鶴預り一札左之通写相添
奉預り一札之事
一黒鶴壱羽 外ニ鍬から壱挺
右は御場所内西方村字下手耕地前とふニて御羽合被
成候御鶴壱羽、慥ニ奉預り候以上
文化十三子年三月二日 八条領西方村
名主 吉 蔵
触次
名主 平 内
戸田五介様御組
御鷹匠 原田善蔵様
右之通り預り一札差添御訴申上候処、御掛り小堀兵
次様早速御取上ニ相成右願書之儀は御同人様御持参
御登城有之上ニて、則戸田五助様ゟも夫〻御申立被
為遊候砌り、葛西御懸り小堀兵次様と御掛合ニ相成
候処、西方村ゟ写差出置候預り一札文面之内、西方
村字下手耕地ニて御つかわせ被成候と申一札、御鷹
匠様江差上候由此儀如何ニ思召被成候哉之趣ニて御
場所違御鷹匠方不行届儀ニも相成候哉、三月四日ハ
戸田五介様御組横山九平様御越被成、其節葛西御掛
り小堀兵次様右場御見分として当村御廻村先江罷出、
内済何れニて相願候様子ニ御座候
昨日訴出候儀ニ付場所見分として明四日罷越候間、村
境罷出案内可致候、尤葛西用水通り相越候間右道筋江
出向可被致候以上
三月三日申刻 小堀兵次
西方村
触次 平 内
名主 弥右衛門
同 吉 蔵
右は出向ニ罷出候処、御懸り様三月四日御越被成御
通り懸りニ場所御見分、当村平内宅御旅宿ニて段〻
始末御糺、殊隣村迄も御糺被成候処、戸田五介様御
組横山九平様ゟ御内意ニて元野廻り小林村佐源次殿
を以当村江申入、何様一札差入可申旨何レ内済致呉
候様申入候ニ付、葛西御掛り様江も先訴書之趣少〻
振合ヲ直し申立候処、葛西御掛り様ニて諸事御勘弁
被為有格別御取計ニて、村役人并百姓代之者口書印
形御取被成、右内済之趣意、西方村江請取置候書付
左ニ
当月二日鶴捉飼ニ付、小林村地内西方村境近辺ニおい
て御羽合被成候処、御鷹附越即刻御鷹方欠附御捉飼被
成候旨、御拳場ニて鶴御捉飼被成候由其掛り御鳥見様
方迄被訴出候段致承知候処、其節我等共儀行歩疲レ欠
附候儀間ニ合不申候故、場所不案内之御鷹方ニ候間弁
もなく畢竟村方役元江相届ヶ差図を請候上之処、右我
等共立会無之故行届兼候儀共御申立被成、御鳥見様江
御訴被成候願書御下いたし被呉候様、幾重ニも相役一
同申候ニ付我等共ゟ御頼ミ申入候、然ル上は已来右様
之儀致間敷候、御拳場御締り相弁可申候仍て如件
文化十三子三月
戸田五介組野廻り
下見 庄 五 郎
右御宿小林村
元野廻り 左 源 治
西方村
名主中
書付之事
一其場所内御締之儀同役共江も申達し、以来不相弛候
様致遣し可申候以上
文化十三子年三月四日
戸田五助組
横山九兵衛印
御拳場触次 平 内 殿
右之通一札請取葛西御掛り様江御内見致候迄ニて、
小林村元野廻り佐源治殿江預ヶ置候
一右は御懸り御鳥見様村方口書相認メ候上ニて、隣村
〻迄夫〻御糺し有之請書印形御取揃被成、右御鶴之
儀は村継を以葛西御役宅江御持被遊候、勿論鳥一条
之儀故御支配御代官様江は御届ヶ見合御訴不申上候
覚
先達て鶴一件之儀、其村取計行届尤兼〻取締筋出情
之趣其筋江申立置候間、沙汰も可有之義と存候、且
右之節支配御代官江も可相届候旨申聞候得共、鳥一
条之義ゆへ届は見合候様此方ニて申請、支配江は為
届不申候段是又申達置候間、其旨相心得万一届方無
之趣尋等も有之候ハゝ、此方ゟ差留メ候ニ付訴不申
候段申達候て宜敷候、為念此段申遣候以上
三月廿二日 小堀兵次
西方村
触次 平 内
名主 弥右衛門
同 吉 蔵
追て本文之儀ニ付出府もいたし候ハゝ出懸ヶニ立寄可
申候、面談も致度候得共遠方ニて候間態〻罷越候ニも
不及候、出府いたし候ハゝ其出懸ヶニて相越し候て宜
敷候以上
御鷹野御役所様より早〻可罷出御差紙、五月罷出
候処鶴一件ニ付、御鳥見様ゟ被仰立有之候哉、左
之通り御法書御代官大貫次右衛門様ゟ御自身ニ御
渡被遊候、右本紙平内預り置候
申 渡
八条領
西方村
村 役 人
右は御場所内取締宜御定法之儀無等閑相守寄持之筋も
有之、御締行届出情之趣相聞候間、村役人并小前之者
迄誉置可申旨、柳生主膳正殿被仰渡候ニ付申渡候
子五月
右は御鳥見組頭申立候由、御場懸り頭取衆ゟ達有
之候ニ付、柳生主膳正殿被仰渡候間是又申渡
申 渡 八条領
村 〻
右は西方村之儀御場内取締宜、御定法之儀無等閑相守
寄持之筋も有之出情之趣相聞候間、村役人并小前之者
迄誉置間其段領中触次共江可申渡旨、柳生主膳正殿被
仰渡ニ付申渡
子五月
右は西方村役人并八条領触次共御鷹野御役所江被召
出、別紙御法書弐枚御渡被下則村役人小前江拝見為
致請印為仕置、且又触次衆は領中村〻江拝見為致承
知印形取置候事、末〻心得可知候