続史料編(三)の発刊にあたって

越谷市教育委員会

教育長 池沢国彦

 越谷市史続史料編(一)、(二)についで、今回、続史料編の(三)を刊行しました。ここに収録した史料は、西方村「触書(ふれがき)」、蒲生村「御用留」の二編で、いずれも地元に伝わる貴重な歴史資料です。

 越谷市教育委員会では、昭和五十六年度から市史の編さん事業を受け継ぎ、「越谷市史」全六巻の完結後も、引き続き資料の収集と整理、刊行に努力してきました。市史の編さん過程で収集された諸資料は膨大な数にのぼり、目下、この整理を重点的にすすめているところですが、これらの資料のうち、市史全六巻には収めきれなかった貴重な史料は、続史料編として逐次刊行してまいりたいと考えています。

 歴史の調査・研究は、なんといっても古文書など史料の発掘とその解読が基本になければならないものです。古文書は、現代の私たちの生活にはなじみが薄く、ともすれば敬遠されがちなものですが、これを読みこなす努力は、歴史研究には欠かせないものです。活字になっていれば、親しみやすくなるでしょう。また、同時に多くの方々に活用していただける利点もあります。

 こうした史料編が、江戸時代の社会、ならびに越谷の状況を考えるうえの一つの手がかりを与えてくれるものと信じられますが、それだけに多くの方々の愛読活用を心から願っています。

  昭和五十七年十月