貞享四卯年

捨子いたわり、生類畜類無主犬憐み候様ニとの御触

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  ○ 貞享四卯年

   (朱書)

  「捨子いたわり、生類畜類無主犬憐み候様ニとの

   御触」

    覚

一捨子有之候ハゝ早速不及届、其所之者いたわり置直

 ニ養候哉、又は望之者有之候ハゝ可遣候、急度付ケ

 届ケ不及事

一生類畜類人之疵付候様成義ハ只今迄之通り可相届候、

 其外友喰又はおのれと痛煩候斗ニてハ届ニ不及、随

 分致養育主有之候ハゝ返可申事

一無主犬頃日は食物給させ不申様ニ相聞候、畢竟食物

 給させ候得は其人之犬之様罷成り、已後迄六ヶ敷事

 と存いたハり不申候と相聞候、不届ニ候、向後左様

 ニ無之様ニ可相心得事

一飼置候犬死候得ハ支配方へ届候様ニ相聞候、於無別

 条ハ向後ケ様之届ケ無用之事

一犬計ニ不限、惣て生類人〻慈悲之心を元といたしあ

 われみ候儀肝要之事

  卯四月