○ 貞享四卯年
(朱書)
「生類取やり不自由ニ不相成様心ゟ慈悲仁心を守
り候様可致御触」
覚
(心カ)
一生類之儀被仰出候得共、悪敷意得置互ニ生類とりや
り候儀も不自由成様仕候、惣て息災成犬来り候儀ハ
食事なとたへさせ、煩候犬なと来候得は聊余之食物
なともたへさせ不申候様ニ仕候、此段何れ心得違ニ
て候、上ゟ被仰出候は人〻仁心も出来候様ニと被思
召候て之儀之所ニ、うわへ斗守り候様ニ仕候て内心
ニ憐愍之志うすき仕方ニて不届候、たま/\生類あ
われみ候者も有之候得は却て出来したて仕すへく、
町所之やつかいをいたすへきなとゝ申輩も有之様相
聞候、度〻申渡候趣を相守、人〻心ゟ慈悲志し、を
こり候様ニ仕へし
右之趣急度可相守之、若相背輩於有之ハ町所之もの
可訴之隠置脇ゟ於相知は名主月行事可為不届候以上
卯十月
右之通御口上ニて被仰渡候趣奉畏候、町〻村〻共地
借店借出居衆水呑下人等迄壱人も不残申聞、急度相
守候様ニ可仕候以上
卯十月