○ 元禄拾丑年
(朱書)
「弐朱判今度新金ニて出来通用被仰出候御触」
覚
一今度新金ニて弐朱判出来世間江相渡し候、通用自由
之ためニ候間国〻所〻迄其旨を存、商売請取方渡方
無滞弐朱判をも用可申候、壱分半分之積りたるへき
事
一大判小判壱分判勿論有来通用可仕事
一前〻相触候通、似セ金銀仕者有之ハ訴人ニ出へし、
縦同類たりといふ共其科をゆるし急度御ほうひ被下、
あたをなさゝるやうに心を付少も疑敷義を見及候ハ
ゝ早速可申出、隠置外ゟあらハるニおゐてハ本人ハ
不及申、諸親類其所之者共可為曲事事
丑六月
如此三ヶ所被仰出候間、村〻致拝見、此旨急度相守
可申候、若猥之輩有之相背候者候ハゝ急度被仰付候
間、其段相心得常〻無油断相守可申候以上
丑七月五日 田山善右衛門
永田長右衛門