○ 享保七寅年
(朱書)
「大八車地車荷附馬往来猥成義無之様馬土共江可
申付御触」
牛車大八車地車幷荷を附候馬引通り候儀、往来之障
に不罷成様ニ前〻も度〻相触候所ニ、頃日ハ猥ニ成
馬車を引つゝけ剰馬子牛遣ひとも口をはなし追ひ、
往来之人をもよけ不申我儘成躰ニ相聞不届ニ候、然
所頃日も神田多町清左衛門召仕車引とも、幼年の者
ニ怪我致させ畢竟慎無之故ニ候、怪我人死し候ハゝ
死罪ニ可被行候得共死し不申候故、右車引六人不残
遠嶋ニ被行、主人ハ過料出させ候、自今車引馬子と
も往来我儘仕怪我人等も於有之ハ、其料之依軽重急
度可為曲事候、此段町中江可触知候以上
寅八月
右之通此度町奉行衆ゟ被相触候書付写相廻し候、在
〻ゟ江戸江荷を附罷出候馬口附之もの右之趣相心得、
自今猥に無之様ニ相慎、込合候所ニてハ見合或ハ除
ニて怪我無之様ニ可仕候、若村〻より江戸へ罷出右
之通之凶事仕出し候ハゝ、事により其村〻名主年寄
五人組可為越度候、此旨村〻名主方ゟ百姓幷水呑下
人等ニ急度申付候様ニ可相触者也
寅八月廿四日 半左衛門役所