○ 享保十三申年
(朱書)
「牛車大八車荷附馬等往来之障り不相成様、今般
厳重ニ御触」
牛車大八車幷荷附馬等、引通候儀往来之障りニ不罷
成候様ニ前〻も度〻相触、就中去ル寅年急度相触候
所ニ、近キ頃又候猥ニ相成往来之人をよけ不申我儘
ニ引通候ニ付、頃日も神田佐久間町壱町目久治郎店
仁兵衛、神田相生町伝右衛門店清六と申もの両人か
ら車を引、牛込払方町通候節同町四郎兵衛忰新八と
申、拾五歳ニ成候者江車を引かけ新八相果候、畢竟
先年ゟ度〻触書之趣忘却致候故之儀不届至極ニ付仁
兵衛ハ死罪、清六は遠嶋被仰付候、自今車引馬士等
此趣を急度相守可申候、此已後往来之者江我儘いた
し怪我人等於有之ハ、当人共ハ重キ御仕置可被仰付
候、人之召仕ニ候ハゝ其主人幷家主五人組名主迄そ
れ／＼ニ御咎可被仰付候、雇候者方ニても念を入候
様ニ弥可申付候、麁末之儀も候ハゝ可為越度候、此
段町中地借り店借り召仕等迄委細可触知者也
右之趣町中江相触候様ニ町奉行江申渡候間、面〻家
来下〻等江も弥急度可申付置候以上
九月
右之通御書付出候間写相廻候条、村中大小之百姓は
いふニ不及、地借り店借り水呑出居衆等迄委細ニ読
聞セ急度為相守可申候、車引共之儀は別て念を入申
きかせ以来相慎候様ニ可申付候、馬士共之儀却て我
儘いたし不埓之義共有之由兼て及聞候、此度如斯御
書付出候上は、自今急度相慎我儘不作法之儀不致候
様ニ念入可申付候、若此已後右之趣ニ相背候馬士車
引有之候ハゝ其ものハ不及申ニ、主人幷五人組名主
年寄共ニ曲事ニ可申付候、右御書付前書ニいたし別
紙之通一村一冊名主年寄連判之証文帳、触次方へ取
集メ当月七日迄ニ可差出者也
申九月 半左衛門
役 所