西 延享三寅年
(朱書)
「借金銀売掛出入延享元子ゟ取上、去亥ノ十二月
迄之分ハ相対を以済方ニ可及候御触」
覚
一借金銀売掛等之出入は人〻相対之事故、近年壱ヶ年
両度之裁許申候得共、向後三年已前子之正月ゟ金銀
出入は前〻之通取上ケ裁許可申付候、四年以前亥十
二月迄之金銀出入只今迄奉行所ニて壱ヶ年両度之裁
許日切等申付候分共、向後奉行所ニてハ不申付候間
相対を以急度無滞可相済候
一只今迄金銀出入ニ付、奉行所ゟ呼出候節令不参又は
済方申付候得共金予不差出輩有之由相聞不埓候、右
之通此度相改り候上奉行所ゟ呼出候節致不参候歟、
又は済方申付候ても不埓之輩有之ハ、武士方ハ奉行
所ゟ老中江申達筈ニ候、寺社町方は奉行所ニて急度
咎可申付候、右之趣可被相触候
寅三月
右之通御書付出候間写遣之候、可被得其意候以上
寅四月一日 逸見出羽守
神尾若狭守
神谷志摩守
右之通御書付を以被仰渡候間可得其意候、此廻状村
下ニ名主致印形早〻相廻し、留り村ゟ我等役所江可
相返候以上
寅四月十二日 柴村藤右衛門
役 所