山 宝暦三酉年
(朱書)
「諸秤之儀古来之通、守随方役人之改相守可申御
触」
諸秤之儀古来ゟ守随彦太郎役人相廻り候処、近年は
私事之様ニ心得候哉諸秤数多致所持候者も秤少〻出
し見セ不宜、秤隠置或は秤所持不致旨申断請さる者
も有之様ニ相聞候、前以相触候通り守随方ゟ役人相
廻り改候節、諸秤不隠置不残出之改請候様可致候、
尤紛敷秤は取上ケ候筈ニ候、此旨急度可相守者也
右之趣東海道東山道北陸道幷丹波丹後但馬都合三拾
三ヶ国、御料は御代官私領は地頭可被相触候
右之通先年相触候得共、近年は又〻私事之様心得候
哉不相用者も有之、取上ケニ可相成秤も守随方江不
相渡所も有之様相聞候、前〻ゟ相触候通り西三拾三
ヶ国、東三拾三ヶ国ニて通用無之取上ケ相成筋は、
秤も守随方へ急度相渡可申候、勿論諸秤新古不限守
随方之外ニて一切売買仕間敷候、尤秤手前ニて衡幷
錘取替、其上緒をも手前ニて取替候者有之候ハゝ急
度咎可申付候、右之通先達て相触候、向〻江猶又可
被相触候
申八月
右之通御書付出候間得其意、村〻ニて写置大小百姓
地借り店借り之者等迄早〻申聞間違無之様可致、尤
村下ニ名主請印いたし早〻相廻し、留り村ゟ可相返
候者也
申十二月 半左衛門役所
八条領村〻