西 明和四亥年
(朱書)
「朝鮮御種人参極印致相渡し候御触」
朝鮮種人参之内、並両品江此度壱根毎ニ極印致し、
只今之通り定直段を以相渡、勿論肉折細髭割人参右
五品とも武士方町方在方望之者江相渡し候、且若定
直段不存者も有之候ハゝ、人参座可承合候
下売之者江戸本町三丁目
奈 良 屋 市 兵 衛 日 野 屋 治 兵 衛 酢 屋 又 左 衛 門
喜多村久右衛門 鰯 屋 市 兵 衛 伊 勢 屋 弥 兵 衛
酢 屋 三 右 衛 門 日野屋七郎右衛門 小 西 長 左 衛 門
日 野 屋 半 兵 衛 伊勢屋武左衛門 日野屋七左衛 門
酢 屋 長 左 衛 門 鰯 屋 藤 兵 衛 近 江 屋 茂 兵 衛
岸部屋善右衛門 小 西 利 左 衛 門 酢 屋 久 左 衛 門
大坂屋庄左衛門 伊 勢 や 吉 兵 衛 伊 勢 屋 与 兵 衛
南伝馬町三丁目 伊勢町
い せ や 孫 八 酒 井 屋 吉 兵 衛 い せ や 佐 衛 門
橘町 京清水門前三丁目 二条通り宝丁西江入町
大 坂 屋 平 六 嶋 屋 忠 兵 衛 香具や四郎次郎
飛彈国高山町
打保屋平右衛門
右下売共江只今迄八包封印之儘ニて相渡し、定直段
ヲ以売捌候様申渡置候処、此度ゟ上並人参ハ極印致
候、肉折人参ハ無極印ニて何れ包封印相止メ、壱斤
半斤入小半斤入箱詰相渡し相対直段を以売捌候様申
渡し、細髭ハ是迄下売江ハ不相渡候得共向後ハ相渡
し、右細髭人参割人参ハ包ニ封印ニて是迄之振合之
通り、右五品共下売之者ゟ江戸中並諸国薬店其外共
手寄次第当八月朔日ゟ相渡候筈ニ候て、此旨医師之
類薬種屋共ハ勿論、其外末〻之者至迄も其前之役人
ゟ不洩様可為申聞候、尤御触書之写町場宿場ハ番所、
在方ハ村役人宅江張置無怠懈御救之所行届候様可申
聞候、右之趣奉行支配候所ハ其奉行ゟ、御料ハ御代
官私領ハ領主地頭ゟ寺社領共不洩様可被相触候
七月
右之通可被相触候
右之通り人参之儀ニ付御書付出候間写遣し候、村〻
名主写取奉拝見、惣百姓共ハ不及申最寄寺社領之者
共迄委細ニ申聞難有奉存候、尤御書付名主宅江張置
惣百姓共急度相守り候様可致候、此廻状村下ニ名主
令請印無滞早〻相廻し、留村ゟ当月中我等役所江可
相返候者也
亥八月七日 野弥市右衛門印