○ 明和九辰年
(朱書)
「近年人馬増賃銭酒代抔ねたり、往来不宜筋ニ付
御触」
近年人馬増賃銭亦は酒代抔ねたり、或其人馬を容易
ニ不差出故往来之旅人、別て旅人抔格別旅行手間取、
殊ニ船川渡之場所へ夜ニ入参掛り致難儀候類多有之
由ニて、右躰之儀致間敷候旨度〻相触候得共、心得
違ニ候哉今以不相止趣ニ相聞候、以来人馬増賃銭酒
代等をねたり、於問屋場ニも人馬不差出、旅行之滞
ニ相成候ハゝ奉行所へ可相届旨向〻江申達置候間、
右届有之候ハゝ宿役人は勿論、人足馬土共呼出し吟
味之上急度御仕置可申付旨得其意、於問屋場ニ其旨
を守人足馬土共は宿場は勿論、助郷村〻ニても村役
人ゟ人馬差出候度〻厳鋪可申付者也
辰二月四日 弾 正
筑 後
日光道中千住宿ゟ鉢石宿迄
水戸佐倉通壬生通
例幣使道共
右宿〻
問 屋
年 寄
追て此触書宿〻ニて写取、右写を助郷村〻へ相廻、
触書本紙は無滞宿〻継送り、留宿ゟ宿送を以弾正御
役所江可相返候以上
右御触御書御写之趣承知奉畏候、依之助郷村〻名主
年寄左ニ御請印形仕候以上