藤 安永五申年
(朱書)
「国〻蚕種附送之節、駄賃割増幷右商人運上銭焼
印札御触」
前沢藤十郎御代官所
上州緑野郡浄法寺
彦 右 衛 門
村松平忠左衛門知行所
同国同郡緑野村
万 右 衛 門
右之者共仲ヶ間一同武蔵相模上野下野甲斐信濃六ヶ
国蚕種致売買処、種荷物道中附送り之節駅場ニて馬
士共致遅〻儀有之、暑気之時分ハ日むれ相成種之面
ニは一向不相見候故、右種買請飼立、出来不相成有
之、買主売主共ニ損失ニ相成ニ付種荷物道中継送之
節、駄賃銭御定之外三割増可相払間、江戸ゟ奥州桑
折山宿中山道中其外脇往還迄触流し於有之は、運上
永可差出旨願出候事
一上州之儀は蚕種売共入込候場所ニ付、同国之内ニて
札取致種商人共江焼印札相渡、壱枚ニ付右運上永弐
百文宛取立候事
但無札之義ハ蚕種売買差留候事
一村〻ニおいて小前百姓手種を取手前ニて飼立候儀、
幷商人江売捌候儀は不差構候事
但小前百姓共脇売いたし度ものハ焼印札申請、運
上永可差出候事
右六ヶ国種商人障無之ものハ、以来年〻運上永差出
候積り相心得請書印形致し、惣代を以御代官伊奈半
左衛門方江可差出候、勿論小前百姓共幷脇往還村〻
ニても障無之候ハゝ請書印形いたし、惣代を以右一
同様可差出、若障有之候ハゝ是又惣代を以書付我等
御役所江可申出者也
未閏十二月 弾 正
武蔵国埼玉郡
御料私領寺社領
村 〻