○ 安永七戌年
(朱書)
「切金通用五分軽目四厘迄相滞申間敷御触」
切金通用相滞候ニ付、小判壱分判共切疵大小無構切
離れ候迄、軽目金之儀は小判は四厘迄軽キ分壱分判
も右分量を以無滞可致通用旨先達て相触候所、大切
金多分世上流布致右躰之切金請取候間、切離れ候得
は請取候もの難儀之筋ニ候、依之自今小判ハ五分迄
之切金ハ勿論、五分以下之疵金軽目は四厘内ニても
形かけそこね穴明き候歟、又ハ疵数ヶ所有之類ハ金
座江指出、定法之通ニて直させ可申候、若五分以下
之疵四厘内之軽目ニて形かけそこねさるを武家方幷
町方百姓共不請取もの有之ハ、両替屋ゟ其支配〻ニ
可申出候、且又此類之通用可成金ゟ歩合取候両替や
有之は、其所之支配江早速可訴出吟味之上急度可申
付候、右之趣延享二丑年、寛延三午相触上納金も五
分迄之切金四厘迄之軽目ハ包方致候儀有之候所、近
来後藤庄三郎方ニて上納金包方之筋少〻之疵金彼是
申候ニ付、自ら両替やとも其外ニても少〻之疵ニて
も不請取又ハ歩金銀相対いたし受取候ニ付、武家方
幷在町共取遣指滞候趣相聞候、仍之上納包方之儀弥
前〻之通相心得世上通用可成分ハ無指支包方可致旨、
猶又庄三郎方へ申渡候、然上は世上通用無指滞候条
両替屋共其旨を改前〻相触候条堅ク相守、五分通之
切金四厘迄之軽目金共通用可致候、若通用可成分取
遣差滞、又ハ歩合取候趣等有之においてハ吟味之上
急度咎可申付候
右之通江戸京大坂は勿論、其外御料は御代官私領は
領主地頭より急度可申付候
五月
右之趣可被相触候以上
別紙之通御書付出候問写遣し候条、村〻写之小前百
姓共江得と可申聞者也
戌六月 役 所