●寛政元酉年
(朱書)
「粉糖幷榛花を以丸燭仕様御触」
粉糖 丸燭仕様
榛花
一粉糖五升 代四拾文位
右は干ほうろく江入黒之付候程いり、火をともし吹
消候てきえかね候時臼江入、曖成内ニ搗夫ゟ油のお
り弐合五勺代廿五文程入よく搗ねばり出候其時板之
上へあけ、厚サ五六分程ニのばし餅のことく成候時
五六分四方ニ切、細長く親指の太サ程ニ丸長くのへ
●如図いたし置火を燈申候
一榛の花 五升
但十月ゟ十二月迄取之、別て十二月頃之節油余慶
有之候
右五日程日に干臼ニ入搗候得は粉ニ成候間、ほうろ
く江入候て黒之付候程いり、油のおり弐合五勺程入
よく搗、親指の太サ長くのへ●図のことくいたし置
火をともし申候てあふり、このうへに置火をうつし
候得は明宜敷候、瓦又は壼杯にてともし候てハあか
り不宜、又ほそき竹ニゆい付、ともし候てもよろし
く候
但油の代り油種木実綿実の類つふし直ニ搗交候て
も宜よし
右之御触書を以被仰渡候
酉三月