山 寛政五丑年
(朱書)
「御当地江出居古郷江立帰り度者、又は古郷之外
百姓ニ成度者有之ハ可願出御触」
在方ゟ当地江出居候もの、古郷江立帰り度存候得共
路用金又は夫食農具代抔差支候ものハ可願出、御料
所幷小給所寺社領のものハ夫〻御手当被下帰村被仰
付、万石以上領分之ものハ其領主江引渡帰村可申付
候、若村方ニ故障有之歟或は身寄之もの無之田畑も
所持不致、古郷之外ニても百姓ニ成度存候ものハ是
又御手当被下、余地等有之国〻江差送相応之田畑可
被下、勿論妻子召連度ものハ可任其意間、去子年迄
三ヶ年之内可願出旨去戌年相触置、追〻願出候分ハ
帰郷申付事ニ候、此後も去ル酉年迄ニ当地へ出候も
のハ願出次第先達て相触候通り御手当被下、帰村可
被仰付候間勝手次第可願出候、尤願出候儀を手重に
存候類、又は心得違候ものも可有之哉ニ候間、町役
人等能〻教諭いたし可申出者也
右之趣町中江猶又此度相触候間可被得其意候、尤帰
郷之者等取扱等之儀は、諸事去戌年相触候通可被心
得候
四月
右之通可被相触候
右之通御触書を以被仰出候間得其意、右躰之もの無
之様可取計候、此廻状村下ニ令請印早〻順達、留村
ゟ可相返候以上
丑五月四日 蓑笠之助
役 所
村 〻