山 寛政五丑年
(朱書)
「川〻御普請ニ付大川通り大破之分計、内郷御普
請難御取上御触」
近年打続諸国大水有之、年〻御普請御入用多分相懸
候処、此度関東筋川〻大水ニて定式御普請所大破ニ
付、御料村方ニても自普請所私領寺社領とも旧例申
立、依願一統御普請被仰付筋ニは無之、見分之上大
川通り格別之大破村方自力難及、或は領主地頭之手
当難行届御料所江も可差障場所は糺之上、品ニより
御普請等被仰付候儀も可有之、左迄も無之破損所或
は内郷堤往還道橋樋類等破損所之分は、猥御普請所
村方願出候共不取上筈候間、決て願出間敷候
右之通去亥年相触候得共心得違之願も多分有之、未
タ行届不申候間此度猶又本文之趣急度相達候様掛り
之面〻取計ひ、村〻ニても堅相守心得違無之様御料
私領寺社領共、御代官領主地頭ゟ不洩様猶又可被申
渡候、右之趣面〻ニ相触候間可被得其意候
関東筋川〻御普請之義ニ付、別紙之通り御書付出候
間写遣し候間、得と披見之上得其意村〻心得違無之
様可致候、此書付村下令請印刻付を以早〻順達、留
り村ゟ可相返候以上
丑八月九日 蓑笠之助
役 所
村 〻