●文化九申年
(朱書)
「御代官吉岡様ゟ村〻御取締ニ付厳敷御廻状」
関東御料所村〻之内、村役人小前ニ至迄不作法成も
有之、別て私領入会村〻之内は私領百姓之由ニて、
村役人共制も不致見遁置故、尚更不敬之儀共多不取
締之趣ニ相聞、畢竟従来之仕来不宜可敬筋を不相弁、
右ニ付御料所之もの共迄自然と支配を軽蔑いたし候
様成行可申、一国一郡之内ニても格別取締宜、村役
人幷小前迄も敬礼厚村〻も有之、御料所と一躰ニ左
も可有之義ニ付、是迄不作法之村〻も向後右敬礼厚
キ村〻ニ准し支配御代官其外都て御用ニ付罷越候も
の廻村之節、不作法之儀無之様ニ申付、取締方行届
候様申諭、私領入会之村〻も御料所一円之村方同様
ニ心得、不作法之儀は相制若私領百姓之由ニて不敬
之儀仕成候もの有之節は糺之上其筋江可申立旨、今
般被仰渡候条得其意、前段之趣兼て村役人共ゟ小前
之もの共江能〻申聞置、往還又は御用往来等有之場
所は別て之儀、其余村〻之分も都て御用ニ付通行い
たし候面〻江対し、聊不作法之儀無之様取締方申付、
其段私領入会之村〻役人共江は寄〻申聞置候様可致
候、若向後不作法之族有之ニおゐては、其村役人共
可為不念条急度相心得、此書面写取村役人宅江張置、
後年ニ至迄無違失様取計、尤幼若もの共ヘハ尚又厚
く敬礼之道りを申教候様可致候、此廻状村下ニ名主
令請印早〻相廻、留村ゟ可相返者也
申三月六日 吉岡次郎右衛門印
西方村
外村〻