●文化十一戌年
(朱書)
「御拳場御飼捉場村〻江享保以来、度〻御法度書
写を以御触」
請書帳
享保元申年八月御書付
覚
沼辺領・世田ヶ谷領・中野領・戸田領・平柳領・淵
江領・八条領・葛西領・品川領
右之所〻古来之通御留場ニ成候間、万事如先規相心
得幷右之場所ゟ四五里之所、鳥おとし不申候候様通
達候処ニ、いまた殺生いたし候もの有之様相聞候間、
向後尚以停止候、私領は地頭ゟ堅ク可申付候、近辺
之御代官ゟ手代相廻し私領迄可遂吟味候
享保元申年九月御書付
最前相達候御留場ニて、今以殺生いたし候もの有之様
ニ相聞不届候間、御料分は御代官ゟ急度申付不絶手代
相廻し遂吟味、殺生いたし候もの見掛候ハゝ召からめ
候様可被申付候、私領之分も小給之面〻は家来相廻し
候儀可及難儀候間、近辺之御代官手代私領迄相廻し、
御料所同様可遂吟味候
享保二酉年七月御書付
江戸五里四方御拳場ニ、前〻ゟ住居之浪人所之もの由
緒有之差置候哉、左候ハゝ何方ニ相勤候処浪人いたし、
何年以前ゟ罷有候哉人別ニ証文取之吟味可仕候、尤向
後浪人差置候ハゝ右之通吟味可仕候
享保二酉年十二月御書付
御留場之内鳥殺生仕候もの有之候ハゝ訴人ニ出へし、
たとひ同類たりといへとも其科をゆるし御褒美可被下
之、其上以来あたを不仕様急度可及沙汰候
宝暦十一巳年十二月御書付
御鷹捉飼場幷在方四季打鉄炮御免之村〻は不及申、四
季打鉄炮不相願村〻共〻常〻相互ニ心を附、御鷹捉飼
場は向後右近辺ニて若殺生人、其外怪敷者も有之候ハ
ゝ召捕差出候様可致候
明和四亥年三月御書付
近年捉飼場村〻江殺生人幷鉄炮打度〻入込不メリニ相
聞候、以来無油断心附見廻り右躰之もの見当り候ハゝ
其所ニ捕置早〻可致注進、若見遁ニいたし外ゟ相知候
ハゝ可為曲事候
明和五子年九月御書付
近年捉飼場近村ニ四季打鉄炮多く相成候故、右之四季
打鉄炮ニ紛、捉飼場内江鉄炮所持之もの幷殺生人等往
来之もの形ニ相成入込、隠鉄炮打且鳥殺生人有之由相
聞不届候、尤亥年も捉飼場内之村役人百姓共得と申合、
捉飼場内村〻江鉄炮所持之もの鳥殺生人等、堅不入込
様急度無油断心附見廻り候様可致候、鉄炮所持之者鳥
殺生人等見受候ハゝ其所ニ捕置、早速御料は御代官私
領寺社領とも其村向寄之御代官江可訴之、右躰之怪敷
如何ニ成ものと心附候ハゝ留置、是又可訴出候、此旨
捉飼場村〻之者共相心得致出精無油断心附候様可致候、
隠鉄炮打候者鳥殺生人等召捕候歟、致訴人候ハゝ為御
褒美銀子可被下置候、尤召捕候ハゝ其村一村江は出精
切を以向後御褒美可被下事
一捉飼場外近村ニ四季打鉄炮有之場所は、其村を急度
相守捉飼場内江一切立入間敷候、他所ゟ隠鉄炮所持
之もの幷殺生人等参り候ハゝ、夜中なとハ留候もの
も無之故、捉飼場江右躰之もの入込候由相聞不届之
至り候、捉飼場外近村四季打有之村方江、他村ゟ隠
鉄炮打候もの且鳥殺生人躰之もの罷越候ハゝ捕置、
前書同様可訴之、是又御褒美可被下置候、四季打之
村方は其村内を急度相守、捉飼場は不及申他村江鉄
炮等所持いたし立入間敷もの也
但四季打鉄炮有之村〻鉄炮取上之節、或は鉄炮修
復等ニ江戸表江持参り候砌、捉飼場内を往来之村
方は右躰之節、村方ゟ江戸表江出候其村役人共ゟ
書付所持可致、江戸表ゟは御料は御代官私領は領
主地頭ゟ書付所持いたし罷通り、紛敷無之様急度
可相心得候
天明六午年十二月御書付
御拳場之内江近頃怪敷姿ニて立入、鷹杯据徘徊いたし
候もの有之段相聞不埓之至りニ候、此以後右躰之もの
及見候ハゝ早速可申出候、若見遁ニいたし外ゟ相知候
ニおゐてハ村役人とも迄急度可申付候
文化四卯年御達
近年捉飼場村〻江殺生人幷鉄炮打度〻入込、不締ニ相
聞候、以来無油断心付見廻り右躰之もの見当り候ハゝ
其所ニ捕置早〻可致注進、若見遁ニいたし外ゟ相知候
ハゝ可為曲事候
右之通明和四亥年阿部伊予守殿被仰渡候趣を以、御料
私領捉飼場村〻江触置候処、近頃村〻不締ニ相成、鉄
炮細黐縄等所持いたし殺生人共入込候趣相聞如何事ニ
候、右明和之度相触候通り弥以堅相守無油断見廻り、
右躰之もの見受次第其所ニ捕置早〻相届可申候
御拳場捉飼場殺生人之儀ニ付、度〻取締方被仰出候処、
近来不締之村〻も有之候ニ付、前書享保以来追〻被仰
出候御書付之趣を以、尚又取締方被仰渡、小前末〻迄
不洩様堅く相守可申旨被仰渡承知奉畏候、仍御請印形
差上申所如件
戌九月 同州同郡何村
名主誰
年寄誰
別紙半切紙江
御拳場捉飼場殺生人之儀ニ付、度〻被仰出之趣近年不
取締ニ成行候ニ付、享保以来追〻被仰出候御書付之趣
支配所は勿論、最寄私領村〻江も急度可申渡旨、此度
尚又被仰渡候間、則別紙帳面之通り申達候条得其意、
小前末〻迄不洩様堅相守可申候、尤右帳面之奥江案文
之通村役人請書いたし、此廻状村下江令受印早〻相廻
し、留り村ゟ我等役所江可相返もの也
戌九月七日 吉岡次郎右衛門印
武州埼玉郡
八条領
西方村
新方領
七ヶ村〻