推薦のことば

 

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越谷市長 島村慎市郎

 このたび『越谷の歴史物語』(第一集)に続いて第二集が上梓されることになりました。この歴史物語はご承知のとおり越谷市広報に連載されている「市史編さんだより」を集録したものですが、第一集は諸般の事情から主に越谷市史編さん室で執筆した稿をもとに編集されました。

 しかし今回はかつて越谷市史編さん事業にご協力いただいた前編集員諸先生の執筆された稿が多数含まれ、多彩な内容でより興味深いものになっていると信じます。しかもそれらの稿はいずれも専門的な立場から郷土の歴史の一こまを物語風に叙述されたもので、越谷の過去を理解するうえで役立つものと思われます。

 申すまでもないことですが、越谷市は昭和四十年頃から『越谷市史』にも示されているとおり急激に人口が増大しました。それにともない近代都市への脱皮に迫られ、幾多の困難に直面しながらも教育や医療施設をはじめ、道路・上水・下水・し尿・消防・福祉など諸施設の拡充整備を進めてまいりました。さらに区画整理・街路・公園等の都市計画事業を進めており、古くから培(つち)かわれてきた越谷の誇りある伝統と自然の地勢を生かしながら、生活環境を整えて豊かな住みよい明日の越谷をつくりあげてまいりたいと念願しております。

 ことに昭和五十四年度は越谷市制二十周年に当り、去る八月越谷コミュニティセンターにおいて記念式典を挙行しましたが、青年都市越谷の未来に期待する活気ある熱気に感動をおぼえました。さらに文化施設の拡充をはかり、郷土の伝統を生かした特徴ある文化都市の建設が街づくりの大きな目標であることに思いを新たにしたところです。

 郷土とは何か、私達は今一度先人の歩んできた道をふり返りながら将来の街づくりを考えていかねばならないと思います。そうした意味から本書は将来を考えるうえでその参考の一助になるものと思われ愛読をおすすめする次第です。

   昭和五十五年一月