大道新田の稲荷神社

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 大道新田の鎮守稲荷神社は、千間台区画整理地のもっとも西よりの地にある。最近までは大道の集落から離れた一望見わたす限りの水田地の中にあったが、今は千間台区画整理の延長で、舗装道が縦横に貫通し、区画地のところどころに新興の住宅がつらなっている中に位置するようになった。しかも神社につきものの樹木もすべて伐り払われているので、目標となるものもなく、周囲の住宅のかげにかくれてその場所をさがすのもむずかしくなっている。それでも道路に面しているので、そこはかとなく歩いているうちに、ブロック摒の中にふと朱塗りの鳥居を見出すことができる。

 境内はいたって狭くなっており、朱塗りの木の鳥居をくぐると、すぐ銅版葺のこじんまりした神殿である。これも最近の再建になるもののようである。神殿の傍らに寛延二年(一七四九)の奉納力石、天保三年(一八三二)と文久二年(一八六二)の文字庚申塔、文政四年(一八二一)と寛政十年(一七九八)の青面金剛文字庚申塔、宝暦八年(一七五八)の普門品一万巻読誦供養を兼ねた青面金剛文字庚申塔、それに年代不詳の青面金剛庚申塔が一列にならべられている。周囲はまだ空地が多いが、やがてここもすき間のない住宅地と化すであろう。

大道新田稲荷神社