昭和五十六年四月から、越谷市の歴史を調査・研究したり、歴史の史料を集めるなどの市史編さんの仕事は、教育委員会が受け持つことになりました。担当は、社会教育課です。
市史編さん室が今までに集めた史料は、江戸時代の古文書(こもんじょ)およそ七〇〇〇点、明治から昭和二十九年までの村役場や町役場の行政文書がおよそ四〇〇〇冊にもなります。これらの史料をもとに、市史編さん室では『越谷市史』全六巻をはじめ、『越谷市民俗資料』『越谷市金石資料集』『越谷市近世古文書目録』『越谷市近現代資料目録』『越谷市史研究報告』『越谷の歴史物語』(一)(二)、『越谷ふるさと散歩』(上)(下)を刊行し、郷土の歴史を明らかにしてきました。こんど刊行した「わたしたちの郷土こしがや」は、郷土のあゆみを小・中学生向けにわかりやすく書いたもので、市史編さんの仕事が教育委員会に移って初めて出す本でもあります。
小学校三年生になると、社会科のなかに「郷土学習」という課題があります。市の教育委員会ではそのための教材として、「こしがや」という題の副読本を制作してきました。今回刊行した「わたしたちの郷土こしがや」も、三年生の授業に活用できるように考えて編集したものです。ただ、歴史という小学校六年生で習う分野を扱っているものですから、ときどき難しい言葉や漢字が出てくるのはやむを得ません。歴史的なことがらや用語は、そのまま理解していただくほかありません。
一つ、お願いがあります。この本をもとにして、お父さんやお母さん方も子どもたちといっしょに、越谷の歴史を調べていただきたいのです。新しい発見があるかも知れません。
郷土のあゆみを調べてみる――理くつぬきにして、楽しいものです。
昭和五十六年八月
教育委員会社会教育課