孝行ハ誠篤を尊ふ

人の孝行ハ真実の誠情愛の篤き所ゟ出るもの也礼も

作法は少しく欠る所有に誠篤ゟ出れは其地恩神ヲも

感し動すへし世の中の親ニ仕ふるもの誠篤の心争て

只弁立セ顔色の上ニのみ恭孜[うや/\しく/つゝしむ]となすもの有

是ハ名を求るのみにして誠実無れば其地恩

神ゟ是を見れは罪人也能此理を知らば何事も

誠なくしてハ功なく其地の興をするといふを暁

るへし誠と誠ならさるの効験ハ久しく続くと

早々□するとの差別ニて掩ひかた□也