(西方須賀家蔵)
引請一札之事
一西方村百姓重五郎兄卯之助義、平日農業不情ニ而遊行候処、此度御支配様御取締御出役様御廻村先越ヶ谷之内大沢町ニ而、右卯之助御召捕ニ相成御取調之上御差立ニ可相成処、村役人中様御一同御吟味御下ケ御慈悲奉願上候、格別之御勘弁ヲ以テ卯之助義村預ケ被仰付無難ニ事済ニ相成候は、全ク村役人中様御威光与乍憚奉存候、誠ニ難有仕合奉存候、以来は卯之助身分親類引請改心為致、農業専一諸事御法度之義は不申及堅相守、万一不身持ニ御座候歟又は悪事ニ立入候風聞成共御座候節は、何れニ御取計被成候共其節一言申分無御座候、依之引請連印一札差上申処、仍而如件、
天保四巳七月 八条領西方村
百姓重五郎兄
卯之助
親類惣代 吉兵衛
同 同 権右衛門
名主 平内様
年寄 仁左衛門様
外ニ 村役人中様