(七左衛門井出家蔵)
差入申一札之事
私忰銀次郎義年久鋪病身ニ而、家業殊ニ家督相続成兼候ニ而、家内親類一同相談之上妹いん江聟養子貰受候跡家督相続致度義、組合中江相歎キ入候処早速私共一同ニ而右之段御役人中江御歎願申上ケ、相続銀次郎ニ限以之外逸〻御利解被仰聞候得共、全年久鋪病身故忰銀次郎江相続為致候而は、先祖之跡茂難立存候、右之義再応御歎願申上候得は 御支配様御役所江御願御下知請可申旨種〻御利解被仰渡、左候而は困窮私身上難計存候、偏ニ御聞届被下置候ハゝ一同難有仕合奉存候、又候銀次郎江手当致遣可申旨被仰渡、私共一同相談之上被仰渡之趣ヲ以田畑合七反弐せ八歩之内、田壱反五畝歩手当として譲渡申候、然ル上ハ妹いん江聟養子貰候而家督相続致候様何卒御聞届被成下置候ハゝ、一同難有仕合奉存候、万一銀次郎外ゟ何様六ヶ敷申候共、私共引請御役人中江決而御苦労相掛申間敷候、為後日家督相続引請一同加判一札入置申処如件、
安政二卯年二月 埼玉郡七左衛門村
銀次郎父 五右衛門(印)
親類惣代 定右衛門(印)
五人組 富之助(印)
同 村蔵(印)
組頭 富右衛門(印)
同郡同村
御名主中