二四六 安政二年三月 貸米返済未納出入一件

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(七左衛門井出家蔵)

  乍恐以書付奉願上候

斎藤嘉兵衛御代官所武州埼玉郡七左衛門村名主門平奉申上候、当村方之儀は御料御私領六給入会ニ而、去ル六ヶ年以前戌年二月中、当御知行分名主八左衛門・林右衛門両人ゟ、百姓定右衛門江相掛御年貢不納申立奉出訴、御吟味中私并御料所分百姓平右衛門、平岡石見守様御知行分名主甚蔵三人取扱ニ立入、御年貢滞米四斗入弐拾俵私ゟ貸遣一件内済いたし、御吟味御下ケ奉願上、尤右用達米は同年米取揚次第可請取筈対談いたし置候処、品〻難渋申之相歎追〻申延いたし際限も無御座候ニ付、取詰掛合およひ候所不当申張候ニ付、無余儀八左衛門林右衛門江相届候ニ付、両人共其節之始末柄相弁居候ニ付、精〻利解申聞被呉候得共、何分不実を構済方不仕難渋至極仕候間、無是非此段奉申上候、何卒以 御慈悲右定右衛門被召出不実之始末御糺之上用達米之分済方仕候様被仰付被下置度奉願上候、以上

  安政二卯年三月   斎藤嘉兵衛御代官所

              武州埼玉郡七左衛門村

                名主 門平(印)

 中条鉄太郎様

   御用人中様

  乍恐以書付奉願上候

斎藤嘉兵衛御代官所武州埼玉郡七左衛門村名主門平奉申上候、去ル六ヶ年以前戌年二月中当御知行所百姓定右衛門義、御年貢不納いたし名主八左衛門・林右衛門ゟ御願立相成、其節私外弐人取扱ニ立入滞米四斗入弐拾俵私ゟ貸遣一件内済いたし、御吟味下ケ奉願上候、尤右用立米は同年米取揚次第可受取筈約定之処、追〻日延申越此節ニいたり不実申張候間、無余儀先月中支配御役所ゟ添簡持参奉歎願候処、当人御呼出し厚御利解被仰聞被下置候ニ付、今般滞米四斗入弐拾俵不残受取難有仕合奉存候、依而右一条御願筋毛頭無御座候間何卒以 御慈悲先般奉差上候願書御下ヶ切被成下置度

奉願上候、以上

  安政二卯年四月   斎藤嘉兵衛御代官所

             武州埼玉郡七左衛門村

               名主  門平

        [差添人/年寄] 八右衛門

 中条鉄太郎様

   御用人中様