二四八 安政六年九月 小作地取上に付詫書

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(「袋山細沼家文書」明治大学蔵)

  詑入申一札之事

一今般稀成出水ニ付、大林村地内字大廻り土手御所談之上与思召御築留ニ相成候所、全ク行違之廉も有之右場所可切払よふ村役人ゟ被申付、無拠罷出取払候処其節御村方人足衆之目留ニも相成、是迄御恩ニ相成居候小作之地所取揚之御断有之、何共驚入先非後悔仕不得止事下間久里村御役頭并政右衛門殿取縋り、御詑申入候処御聞届ケニも不相成候所、右対シ御両人江御勘弁之上御聞済ニ相成、偏ニ難有仕合ニ奉存候、然ル上は以来右様之儀御座候ハゝ我等小作仕地所御取放し相成候共、決而一言之御恨ミ申間敷候、依之詑書一札入置申所仍而如件、

  安政六未年九月     埼玉郡大林村

               当人 藤八(印)

               親類 周蔵(印)

   同郡袋山村

    地主 吉左衛門殿

前書之通り私共詑人ニ相立、奥書印形いたし置申候、以上

  未九月十六日    同郡下間久里村

              詑人名主 久左衛門(印)

            同村

              同    政右衛門(印)