(七左衛門井出家蔵)
差入申一札之事
当村百姓幸次郎義、当月七日貴殿之米荷物越ヶ谷宿江附送申候途中ニ而、同村百姓平右衛門忰国次郎ニ出会候処、右幸次郎附送候米荷物何遺恨故理不尽手ヲ掛ケ、右荷物馬共引倒、其上幸次郎右之足江疵弐ヶ所為負、然ル処江同村百姓村蔵跡より来り米馬共引倒有之幸次郎与取敢居候ニ付、取捌可申与存立入候得は、村蔵江も何故歟右之手親指江疵為負候始末、御立腹被成既ニ御支配御役所江御検使御願罷出可申段、種〻御利解被仰聞驚入左之扱人ヲ以御歎申入候、再応御利解被仰聞候所国次郎義酒狂之上全心得違之段、一言之申訳ケ茂無之次第ニ而、一向御歎願申入候得は、格別御勘弁ヲ以御聞届被下辱存候、依之右幸次郎・村蔵両人江療治手当として金三両差出シ、然ル上は向後右躰不埒之儀決而致間敷候、万一右様之儀出来候共加判人引請貴殿江聊御苦難相懸ケ申間敷候、依之為後証扱人一同加判之一札差入申処如件、
埼玉郡七左衛門村
安政四巳年正月 当人 国次郎 爪印
同人親 平右衛門(印)
親類 寅蔵(印)
五人組惣代組頭
扱人 八右衛門(印)
同 定右衛門(印)
同 紋次郎(印)
同 初五郎(印)
同村名主
門平殿