四四六 安政二年一月 瓦曽根照蓮院年中行事

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(瓦曾根照蓮院蔵)

 【表紙】

  「 安政二卯年正月改

   照蓮院年中行事

        第廿九世 教隆」

一正月三日之事    初丁表  一正月四日年礼之事  初丁

一門末年礼之事    初丁   一大聖寺般若之事   二丁

一正五九観音護摩之事 二丁   一廿一日初御影供之事 二丁

一正月廿三日松伏般若      一廿五日廿七日廿八日

 之事        三丁    大聖寺般若之事   三丁

一二月初午之事    三丁   一涅槃構之事     三丁

一彼岸之入之事    九丁   一三月十二日東福寺

一正御影供之事    四丁    御影供事      四丁

一孫左衛門仁王経之事 四丁   一魔両神供之事    四丁

一暑中見舞之事    五丁   一五月十八日観音護

一棚行之事      五丁    摩之事       五丁

一当院大セ餓鬼当日       一大施餓鬼之事    五丁

 之事        五丁   一隣寺方セ餓鬼之事  五丁

一祠堂金勘定之事   五丁   一九月寺之事

一寒見舞之事     七丁    九月十八日護摩之事 六丁

一月牌之事      七丁   一松厳之事      七丁

一すゝ払之事     八丁   一歳末之事      七丁

一最勝院留守居太義料      一歳末年頭物買入之事 八丁

 之事        九丁   一糯つきの事     八丁

一中村追善之事    十丁   一金町本寺年至【始】之事  九丁

     年中行事

一正月朔日、檀中一統年至【始】参上之節酒出ス、冷酒ニ而重詰出ス、金毘羅牛蒡一重、座禅豆一重、茶呑茶腕ニ而酒を為呑申候、

一二日 中村彦左衛門并文雄年礼[中村ゟ青銅弐百/ 文雄ゟ同百文]

一四日 村方へ院主年礼廻勤、供者ハ待壱人、草履取挾箱・進物配釣台ニ而持出ス、人足ハ門前四軒外弐人、小供弐人人足は前日触置、朝早く参り候へは餅雑煮為喰直ニ中村へ参り、餅吸物ニ而酒出る、夫ゟ村方軒別仕舞、昼飯為喰他村旦中門末迄仕舞申候、夕飯茶飯、けむちんニ而酒弐升供者へ為呑候、為太儀料半紙壱帖宛遣ス、進物帳面在別、

一五日、六日、門末年礼参上候節は、茶斗 是ハ廿一日初御影供之節召候間先〻ゟ仕来り御座候、

一十五日 中村大般若ニ付大聖寺ゟ頼来り候へは参上

正五九

一十八日 最勝院ニ而観音護摩修行正月斗りハ船持中ニ而舟中安全祈願、金百疋船持中ニ而持参、村中護摩札配る、世話人ハ孫左衛門・新六・五郎左衛門・重右衛門、右へ前日沙汰いたし頼申候、護摩札数凡為弐拾枚斗入用ニ御座候、

一廿一日 初御影供、門末、村役中、門前四軒、隣家三軒与八・与市・丹蔵召申候、

   料理献立

皿[海苔/紅葉大根/ふきのとふ] 汁[醤油/すまし/あられ豆腐] 平[揚豆腐/板昆布/セリ] 猪口[菜/ひたし]

  香之物  台引油揚板昆布

坪胡麻煎牛房  麦飯  取肴  丼  焼菜

   硯蓋[くわゐ/青海苔/午房/百合/いもから/焼豆腐]

 揚豆腐昼後ゟ村方祖母念仏、者染物出ス [揚豆腐/人参/午房]

 村役人中中村彦左衛門弐百文、酒屋八右衛門弐百文、孫左衛門・又兵衛・五郎左衛門・新六・重右衛門・茂左衛門・代権兵衛・代平左衛門百文宛持参、門末ハ青銅無之、

 五郎左衛門ゟ餅三備参り候、右之内壱備は廿二日送り申候仕来り御座候、

一廿三日 松伏村宝珠院大般若参上之事

一廿五日・廿七日・廿八日大聖寺大般若之事

一二月初午 稲荷為御酒弐分弐朱位之酒壱樽備へ村中へ振舞申候、是ハ稲荷屋作徳ニ而買申候事、酒は前日新六方へ送り候へは、宜敷取計ひセ話いた【す脱カ】筈候、前日年分之賽物新六持来り申候、当日村中ニ而法楽頼来り候[布せ/弐百文]

一十五口 涅槃講、門末出仕東福寺三百文、外門徒ハ弐百文宛燈明料持参致候事

   料理献立

平[竹之子/三ツ葉/くわゐ/椎茸/ゆば]  汁[菜青味/豆腐]  猪口[うど/胡摩合]  飯

        香之物

 昼後ゟ村方祖母方念仏ニ参リ候へは煮染物出ス、菜びたし壱皿

一三月十二日 東福寺御影供、理趣三昧之導師いたし候、

 廿一日 正御影供、門末出仕、涅槃講同断

一四月朔日ゟ開白ニ而八日 詰願魔多利神秘法村方結縁を竹筒入配る、越谷并大沢町世話人本町舛屋善蔵并茂千屋忠八両人ニ而世話致筈候、供物之儀は餅壱斗、菓子四百文、右供物少〻宛配申候、

一八日 花田村西円寺薬師護摩頼来リ候、

一廿四目 孫左衛門仁王経、布セハ極月一度ニ弐朱被下候、

一廿五日 平左衛門仁王経并守護分家四軒一度ニ致候、

一廿八日 中村彦左衛門仁王経守護

一五月十八日 観音堂護摩、村中安全配札斗、

一六月 中村へ為暑中見舞葛三百文斗進上、中村ゟ寒さらし三袋暑中見舞被下

一七月朔日 大施餓鬼立札いたし候、


 三本入用

  おけ八前 壱本

  角仁前  壱本

  かじや前 壱本

一十四日 棚行   一十五日 迎摂院施餓鬼

一十七日 花田西円寺 大沢光明院 大房浄光寺 七左観照院施餓鬼也

一十八日 東福寺施餓鬼也

一廿日 当院施餓鬼也 大施餓鬼之節ハ前日十九日昼後ゟ村方世話人集会ニ而村中軒別米銭等集世話致筈候事、当日寺院方廿人余リ参上之事、色衣衆三百文、黒衣衆弐百文宛、布施差上候、供小供五拾文宛、門末燈明料持参候、

   料理献立

 平泡雪  汁とふがん

  香之物     猪口[百合/こんにやく]

  坪[ごま煎/茄子]  茶飯

 法要後あんころ餅四百文重入ニ而出、洒は大平のつへい 甘煮 皿茄子さしみ 右寺院方 旦中は世話人ニ而献立致、地主ハかまへ不申候、

一八月廿四日 仁王経守護

一九月十八日 観音堂護摩 五月同断

一十一月晦日 詞堂金勘定 世話人村役人中、前日触出ス、昼後ゟ村役人集会、取立申候寄金之内三両常香常燈明料受取、残金ハ貸附申候、

   料理献立

 大平けむちん  大皿[牛蒡・揚豆婦・里/いも・人参・大根]

 丼焼菜  吸物椀ニ盛[ふろふき/大根]

  酒出ス  うどむ出ス  数八十斗

一極月十八日 正月仕度 門松七組、〆縄、表門、玄関、川岸稲荷、寺内稲荷、下弁天観音、年至物仕入、半紙壱〆、糊入百枚、扇子壱対、弐本入扇子箱壱つ、日向半切弐百枚 付木[代ニ而/一分]

一寒見舞 中村へ堅炭壱俵 五百五十位 嘉久善へよふかん弐百文位 中村ゟ甘酒来ル

一歳末 中村ゟ御膳糯弐斗参り候へは、当方ゟ旦那へ銀六匁・茶壱斤 内室へ草煙【ママ】弐斤弐朱位 宝来山弐百文宛与市・権左衛門へ遣ス

一中村ゟ月牌料弐俵持参ニ候へは、人足酒代弐百文遣ス

一歳末并年頭物仕入買物覚

 一半紙廿三匁位壱〆 一糊入 百枚

 一日向半切 弐百枚 一弐本人扇子箱 壱つ

 一扇子 壱対    一水引     壱わ

 一付木 代金壱分  一洒      五升

 一柳箸 拾前    一昆布     壱わ

 一大〻 三つ    一裏白     十組

 一蜜咁【柑】 三十 一黒豆     壱升

 一人参       一とそ     壱袋

一十三日 すゝ払 茶飯けんちん也、酒弐升 頼人十人斗 為祝儀手拭壱筋宛遣し候、

一[小月ハ廿五日/大月ハ廿六日] 餅つき 本尊へ三升備壱つ 頂備三升、両大師弐備、神棚三備、年神壱備 川岸稲荷一備 院内稲荷一備、東光院本尊弐升備壱つ、荒神一備、大黒天一備、其外任意へき事、

一東光院本尊へ餅壱備・青銅弐百文、為燈明料留守居遣ス

一最勝院留守居へ正五九守配為太義料 四月弐升 八月弐升 極月三升

一金町本寺 年至青銅三拾疋以使僧申上候、三月廿一日前迄ニ而不苦候、本寺ゟ使僧ニ而三本入扇子箱壱つ、是も三月廿一日迄ニ参リ候、

一中村彦左衛門追善之節ハ二箇法要勤申候、衆僧拾人門末有住ニ而不足之分は他門相頼申候、導師弐百疋、色衣百疋、黒衣五拾疋宛、施物ニ御座候、

一春秋両度彼岸入初日ニは昼後ゟ祖母念仏参り候ヘは、団子ふかし直し煮染ニ而出ス、