(越ヶ谷山崎家蔵)
【表書】
「長右衛門様 大角
要用 」
【上欠】我等年頃を申候所、其くらゐの年ニてケ様ニ学問の出来候といふハ只今ニハ有まじ、何れ公儀ニても此学問ハ御取り用へなさるべく、是也に御すて置キなされがたきとの事、かへす/\御ほめなされ追而御さた有べくとの事ニ御座候、一統誠ニありがたがり大悦仕候、是も偏ニ御かげ故に御座候、なほ吉さう次第可申上候、色〻様子よき事ども段〻御座候也、
○上杉六郎の所より来り候、しやけハ誠ニめづらしき大もの也とて遣し候事ニ御座候、此人よりの手紙又考の事ニ付き色〻おもしろき御咄し御座候へども御目ニ懸り候節御咄可申候、此筆ろうそくを一丁〓江御遣し可被下候、どふぞ御かもじ様ちつと御暇を被下候ハゞ御出なされ家を御覧可被成候、みんながほめ申候、何も用事而已早〻、以上
三月廿八日 大角
山崎君
人〻御中
〔註〕文政三年三月カ