四八六 十一月二十五日 平田鉄胤書簡

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(越ヶ谷山崎家蔵)

 又申上候此烏の人至而心安キ人ニ御座候間其思召ニて御あしらひ可被下候、以上

 返〻、丹事差たる事ニハ無御座候間必〻御案思被下まじく、御見廻等之儀ハ決而御用捨可被下候、為念申上置候、以上

追日寒気相募候得共御揃弥御壮健ニ可被成御入目出度御儀奉存候、次ニ当方一同息才ニ罷在候間乍憚御安慮可被下候、扨ハ先達而御咄し申候烏の啼やうを聞分る人福智忠兵衛と申仁、国元へ帰りがけ其御地通行いたし候由ニ付、書状相添参上いたさせ申候、御慰ニ御聞可被成候、ゆる/\御とめ置被成候ても宜敷御座候、将又子息も同道ニ御座候が此児殊の外絵の上手ニ御座候間、御好ミ御書せ御覧可被成候、

一其後ハ大ニ御無さた申上真平御免可被下候、何卒私壱人なり共上り度ハ存居候得共、短日ゆへ学事殊之外世話敷只〻上り度心ニ存居候斗りニ御座候、

一例年之通り稲穂御願申度奉存候、御地ゟ御幸便御座候ハゝ御事伝可被下、此方ゟも其内ニハ御願ニ差上可申、何レとも幸便次第奉希上候、

一丹事十月頃ニハ緩〻泊りニ上り可申兼〻存居候処、兎角積気少〻起相勝レ不申何分出兼申候而御無沙汰ニ相成申候、乍去何も御気遣被下候程の事ニハ無御座候間此段ハ御気遣被下間敷候、先ハ烏の人さし上候ニ付用事旁〻一筆申上候、差急き乱略之書面御宥覧可被下候、以上

   十一月廿五日     平田内蔵助

  御両人様

    御許ニ

尚〻両親初一同宜申上旨申聞候、扨又御序も御座候ハゝ豆腐屋へ宜奉希候、追〻寒気強相成可申候間切角御厭可被下候、以上

  〔註〕文政五年十一月ヵ