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切戸川の水車

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 水車を設置することは、米を搗いたり粉にする作業を、人力に頼らずに行うことであった。この水車を設置するためには、藩府の許可をえて運上銀を納入しなければならなかった。一八四二年(天保十三)十月、切戸川に設けられた水車の営業許可書の大要は、つぎのとおりである。
(一) 西豊井村畔頭房五郎組源兵衛に、水車二柄の設置を許す。
(二) 水車設置の目的は、飯料を賃搗きするためである。
(三) 運上銀は年銀二〇匁とし、毎年暮までに納入すること。
 右のことから、西豊井村の源兵衛が、水車二台の設置が許可されたことが分かる。源兵衛はこの水車の設置によって、米の賃搗き商売を始めたのであろう。このようにして、これまでは自家で使用する米はその家で搗いていたのであるが、水車屋へ頼めば安い費用で精白できることになった。このため、普通の農家も自家で米を搗くことがなくなり、水車屋へ依頼するようになった。

現在の切戸川